『ヒルナンデス!』はその他にも、松丸亮吾さんの「謎解きバトル」や「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」とコラボしたコーナーを設けたり、MC・南原さんと月曜シーズンレギュラー・島太星さんのコラボ曲「みんなに逢いたい」を制作・披露したりなど、生放送番組らしい動きのある構成が続いています。
平日5日間×2時間の長時間番組であるため、再放送のコーナーも多いものの、評判次第では今後、生放送であることを生かしたグループゲームコーナーやリモート企画が増えていく可能性もあるでしょう。
もともと『ヒルナンデス!』の裏番組は、『ひるおび!』(TBS系)、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)、『バイキング』(フジテレビ系)と、中高年層をメインターゲットにした報道系番組ばかり。学生も若手会社員も在宅の人が多い現在は、明るさやエンタメ性のあるバラエティのニーズが存在するだけに、大きなチャンスにも見えます。
実際、ネット上で「今こそ『笑っていいとも!』が放送されていたらよかったのに」と嘆くコメントを何度か見かけました。「きっかけはコロナ禍による苦肉の策」という感こそあるものの、『ヒルナンデス!』はそんなニーズに応え、『笑っていいとも!』の魅力を兼ね備えた番組になれる可能性を秘めています。
「毎日13時45分前後に滝菜月アナと梅澤廉アナが交替で新型コロナウイルスに関わるメッセージを自分なりの言葉を交えて発信し続けている」という好感度の高さもあり、これまで以上に支持される番組になるかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。