ただし、夫を許すにしても、妻が主導権を握らなくては悪癖は直らない。
妊娠中にファッションデザイナーの夫(40才)の不倫が発覚した安田美沙子(38才)は、当初こそ夫の携帯をチェックしたり、「絶対に離婚する」と息巻いていたが、結局は「いまの私には彼のいない人生は考えられません」と、元の鞘に収まった。
2020年3月、懲りずに夫が2度目の不倫をしたときには、「お騒がせして申し訳ありません。この件は、もう何年も前に夫婦で解決しました。私には主人が必要ですし、何よりも子供たちのパパには、彼しかいないと思っております」と、世間に対して騒動を詫びてもいる。夫の手綱を握れない“べた惚れ妻”といえるのかもしれないが、これもひとつの腹のくくり方だろう。
北海道の看護師・松川一子さん(31才・仮名)は、結婚後わずか2か月で夫の不倫に気がついた。
「当時、私は妊娠中でした。しかも相手の女性とは結婚前から続いていたようで、怒りで体が震えました。夫を問い詰め、預金通帳を取り上げ、押印欄だけを空欄にした離婚届を用意して、“次、不倫したら、すべての財産を妻に渡して離婚する”という誓約書を書かせました。いまは夫婦関係は円満です」
うまく乗り越えられれば、夫婦関係は以前よりもよくなることが多いのかもしれない。
元衆議院議員の金子恵美(42才)も、2016年、第1子の出産直後に夫の宮崎謙介(39才)の不倫を知ったが、「脇の甘いヤツ。どうしてもっとうまくやれなかったの」と一喝したのみという。「離婚すれば女性票を集められる」という周囲の声も無視して、「生まれたばかりの息子から父親を奪う権利はない」と、夫を許した。その結果、夫は議員辞職、妻は落選と、夫婦で職を追われるが、現在は夫婦そろってバラエティー番組で当時のことをネタにするほどだ。
“女遊びは芸の肥やし、妻はそれを許すもの”とされていた昭和の芸能界。「不倫を許す妻」は、時代をさかのぼるほどに多い。