『リコカツ』のサブテーマは“熟年離婚”
北川景子が演じる出版社の編集者の水口咲と、永山瑛太が演じる自衛隊のメディック(航空救難員)の緒原紘一とのカップルがスピード結婚する。ところが結婚してみると互いの仕事や結婚生活に対する考え方がまるっきり異なることが分かり、すれ違いが目立つようになる。あっという間に離婚することを決意。離婚を前提にしばらく共同生活を続けるうちに互いに惹かれ合う感情が強まっていくというラブコメディだ。
リコカツ=離婚活動というタイトル通り、回が進むにつれて離婚に向けて進んでいくのだが、それとは裏腹に近づいてしまう2人の初々しい恋心が分かりやすく描かれる。
「設定がとてもシンプルなラブコメディディー。最後はハッピーエンドになるということが明確だったので安心して視聴することができた」「実は惹かれ合っている2人の距離が近づいたと思ったら次には遠ざかってしまう。そのもどかしい感じにハマってしまった」「結婚というものの意味を笑いながらも考えさせてくれるドラマだった」……そう感想を語る人たちが目立つ一方、こんな感想も耳にした。
「古い時代の恋人同士や幸せな結婚生活というステレオタイプを壊してくれる爽快感があった」「離婚をきっかけに相手との関係を見つめ直して、新たな関係をつくる。離婚を意識するからこそ相手にときめく。そんな胸キュンが楽しみだった」
このドラマは咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)という30歳前後の新婚カップルが離婚するという物語が中心だが、それだけの話ではない。実はその周囲にいる彼らの両親や姉までもが離婚してしまう「全員離婚」のドラマだ。
紘一の両親がドラマで重要な役を演じる。自衛官であることを誇りに思って家庭を省みないままで定年を迎えた夫の緒原正(酒向芳)に連れ添ってきた専業主婦・薫(宮崎美子)。彼女は息子の結婚を機に家庭から飛び出して夫に離婚を迫り、温泉旅館で働くようになる。当初は働くことに戸惑いながらも次第に自分なりの居場所を見つけて生き生きしていく様子が描かれる。