国内

雅子さま、安倍晋三氏との浅からぬ縁と強い追悼のお気持ち 国葬開催決定に影響か

大きなショックを受けられているという(2018年4月、東京・港区。写真/JMPA)

大きなショックを受けられているという(2018年4月、東京・港区。写真/JMPA)

 天皇皇后両陛下としては最大限の追悼の意を、安倍晋三氏の死去に際して示された。平成から令和にかけて、国の安寧のために共に身を捧げたというシンパシーだけではないだろう。雅子さまは、皇太子妃として皇室に入られるずっと以前から、安倍氏とは浅からぬ縁をお持ちだった。

 広々とした和室の床の間の前に、祭壇が設けられている。中心には、ノーネクタイの安倍晋三元首相が笑みをたたえる遺影があり、《紫雲院殿政譽清浄晋寿大居士》と刻まれた位牌と骨壺が並んでいる。

 東京・渋谷区富ヶ谷の安倍邸の一室は、弔問客が絶えない。その祭壇を取り囲むのは、大きな白い生花、紅白の供物、色とりどりの果物。それらに添えられた大きな文字に弔問客は目を奪われる。

「天皇皇后両陛下」

 それらはすべて、両陛下からの供物だという。

 7月11日午後、増上寺(東京・港区)で行われた安倍氏の通夜に、両陛下の焼香の名代として、側近である侍従が派遣された。

「両陛下は安倍元総理に、一般の香典に当たる祭粢料、供物、生花を贈られました。大物政治家の葬儀の祭壇といえば、並べられた供花に数多くの名札が立つのが通例ですが、安倍元総理の場合はたった1つだけ、『天皇皇后両陛下』の名札が置かれたのが印象的でした。そもそも、両陛下が首相経験者の葬儀に侍従を派遣することはめったにありません。昭和に安倍元総理の祖父である岸信介氏、平成に小渕恵三氏のケースがあったくらいでしょう」(自民党関係者)

 岸田文雄首相は14日、安倍氏の「国葬」を今秋に行う方針を発表した。

「当初、自民党内では別の形での大々的な葬儀の開催が検討されていました。しかし、岸田総理が急転直下の決断をし、異例の発表となりました。実はこの決定の背景に、雅子さまの強い追悼のお気持ちがあったそうです」(政界関係者)

戦後の国葬は昭和天皇と吉田茂

 安倍氏の国葬は9月に日本武道館(東京・千代田区)で行われる見通しだ。費用は全額が国費で賄われる。国葬の歴史は戦前にさかのぼる。政治部記者の解説。

「戦前は『国葬令』という法令がありました。天皇や皇族の葬儀を国葬で行うのに加え、国に功績のある人物が亡くなった際に天皇の決定があれば国葬にできるというものでした。実際、岩倉具視や伊藤博文の葬儀は国葬として執り行われました。しかし戦後、政教分離の観点から制度が疑問視され、1947年に国葬令は失効しました」

 戦後、首相経験者は「内閣・自民党合同葬」や、そこに財界などからの有志が加わる「国民葬」で送られることが一般的となった。

「唯一の例外は、1967年、戦後日本の復興に尽力した吉田茂元首相の死去です。当時の佐藤栄作内閣が特例として閣議決定し、国葬にこぎ着けました」(前出・政治部記者)

 戦後、国葬で送られた人物は、吉田氏のほかに昭和天皇しかいない。岸田氏は、安倍氏が国葬にふさわしい理由として、首相在任期間が憲政史上最長の8年8か月にわたること、国際社会からの評価が高いことなどを挙げた。

「果たして安倍氏を、全額を国費で賄う国葬にすべきなのか、『合同葬』や『国民葬』が妥当ではないかという声もあり、国民の間で少なからず賛否両論あることは事実です」(前出・政治部記者)

関連記事

トピックス

東京都内の映画館で流されたオンラインカジノの違法性を訴える警察庁の広報動画=東京都新宿区[警察庁提供](時事通信フォト)
《フジ社員だけじゃない》オンラインカジノ捜査に警察が示した「本気度」 次のターゲットはインフルエンサーか、280億円以上つぎ込んだ男は逮捕
NEWSポストセブン
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
参政党の神谷宗幣・代表(時事通信フォト)
《自民・れいわ・維新の票を食った》都議選で大躍進「参政党現象」の実態 「流れたのは“無党派層”ではなく“無関心層”」で、単なる「極右勢力の台頭」と言い切れない本質
週刊ポスト
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト
苦境に立たされているフジの清水賢治社長(左/時事通信フォト)、書類送検された山本賢太アナ(右=フジホームページより)
“オンカジ汚染”のフジテレビに迫る2つの危機 芋づる式に社員が摘発の懸念、モノ言う株主からさらに“ガバナンス不全”追及も
週刊ポスト
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?(時事通信フォト)
二刀流復活・大谷翔平の「理想のフォーム」は?「エンゼルス時代のようなセットポジションからのショートアームが技術的にはベター」とメジャー中継解説者・前田幸長氏
NEWSポストセブン
24時間テレビの募金を不正に着服した日本海テレビ社員の公判が行われた
「募金額をコントロールしたかった」24時間テレビ・チャリティー募金着服男の“身勝手すぎる言い分”「上司に怒られるのも嫌で…」【第2回公判】
NEWSポストセブン
妻とは2015年に結婚した国分太一
「“俺はイジる側” “キツいイジリは愛情の裏返し”という意識を感じた」テレビ局関係者が証言する国分太一の「感覚」
NEWSポストセブン
衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一
【スタッフ証言】「DASH村で『やっとだよ』と…」収録現場で目撃した国分太一の意外な側面と、城島・松岡との微妙な関係「“みてみぬふり”をしていたのでは…」《TOKIOが即解散に至った「4年間の積み重ね」》
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居正広と元フジ女性アナの「メール」全面公開ほか
NEWSポストセブン