都内の飲食店に集結
滝沢は海外で活躍できるアーティストのプロデュースを目標に掲げ、平野は以前から“海外での活躍が夢”と公言してきた。三宅や神宮寺も同様に、TOBEに合流したアーティストは共通して海外志向が強い。実際、18日に配信されたIMP.のデビュー曲は世界同時配信され、22日には北米唯一の日本語ラジオ局の番組にIMP.のメンバーがコメント出演した。
世界を狙うために一丸となる︱この日の決起集会には、こうした思惑があったのかもしれない。
「ただ、驚いたのは会場となった飲食店。ここは、かつてSMAPの解散を巡って注目された店なんです」
そう話すのは別の芸能関係者だ。実はこの高級中華料理店は2016年8月に解散を発表したSMAPが、その7か月前に“集会”を開いた店だ。
「SMAPの解散危機が本格的に報じられたのが、2016年初頭のこと。当時、それらの報道を気にかけた近藤真彦さん(59才)が、東山紀之さん(56才)やTOKIO、V6、嵐のメンバーらにも声をかけてSMAPを激励するために集まったのがこのお店なんです。その会のおかげで、SMAPは今後も活動を続けると、同じ方向を向くことができたといわれていました」(前出・別の芸能関係者)
だが周知の通り、その会合から約半年後にSMAPは解散を発表する。
「この激励会は“最後まで重苦しく、まるでお通夜のようだった”と言う人もいました。当時を知る人にとっては、このお店での決起集会は不穏な感じもするでしょう。特に三宅さんは、当時の参加者でもあったわけですからね。
ただ、お店選びで最終的なジャッジをしたのは滝沢さんのはず。いまの彼にとっては過去の“因縁”めいたものは無関係なのかもしれません。それぐらい達観していますから」(前出・別の芸能関係者)
滝沢のこれまでの歩みは、元アイドルという一言では語りきれない。
2018年にタレント活動から身を引いたが、ジャニーズ事務所の子会社・ジャニーズアイランドの社長に就任し、企業経営にも進出。2022年9月に子会社の社長を辞任し、副社長を務めていたジャニーズ事務所も退所、そしてTOBEを立ち上げた。SNSのフォロワーは260万人近く、所属アーティストの差配も含めて、滝沢は日本社会全体に大きな影響力を持ち、その一挙手一投足が注目される存在だ。
「滝沢さんの旗振りのもと、平野さんはソロ曲が完成してレコーディングも済んだようです。三宅さんもミュージックビデオの撮影が進んでいて、2人ともソロデビューが近い。来春には、TOBEメンバーによるドーム級のコンサートを計画している模様です」(前出・芸能関係者)
現状は元ジャニーズ事務所のタレントだけが合流しているTOBEだが、今後はオーディションにも力を入れていくという。
「滝沢さんの育成力や演出力は折り紙つき。多くの人気アーティストが誕生する可能性もあります。ただ、社長業があまりにも多忙なのか最近はどんどんやせているようなんです。スタッフの間では、体調を心配する声もあがっています」(前出・芸能関係者)
決起集会がお開きになった午後9時30分頃、誰よりも先に店の外に姿を見せたのは滝沢だった。店の周囲を念入りに目くばりする滝沢。平野、神宮寺、三宅の退店に合わせて移動車を手配し、帰路につく彼らの車を見えなくなるまで見送った。IMP.のメンバーやスタッフら全員を同様に見送ると、滝沢はひとり空を見上げてそっと息を吐く。
厳戒態勢から解放された瞬間に見せた滝沢の表情は、疲労感と達成感に包まれていた。
※女性セブン2023年9月7日号
