2016年、ソフトバンクの宮崎キャンプで対面し握手する江夏豊氏(右)と工藤公康氏
阪神の大エースだった江夏豊氏(77)と西武、ダイエー、巨人を日本一に導いた“優勝請負人”の工藤公康氏(62)。球界を代表するレジェンド左腕の2人だが、江夏氏がキャリア最終盤に西武に在籍した頃からの知られざる「師弟関係」があった。今後、出現するかもしれない新しい変化球、大谷翔平の復帰投球について語り合った。【全3回の第3回。第1回から読む】
ケガ明けの大谷翔平に脱帽
江夏:坊やは最近も野球を見とるか? 今年のセ・リーグは阪神でほぼ決まりやな。
工藤:交流戦後の11連勝がストップしたあと、反動でどうなるかと思われましたが、順調に勝ち星を伸ばしていますからね。
江夏:パ・リーグは俺らの古巣・西武が、去年に比べりゃ健闘していると言えるんじゃないか。
工藤:多分色々と変えなきゃいけない部分があるなかで頑張っていると思います。ただ、去年がこうだったから今年はこのぐらいでいいよね、というチームじゃないと思っています。
江夏:頑張ってほしいね。
工藤:今は落ちるボールが全盛です。今の子はカーブ、スライダー、ツーシーム、カット、チェンジアップにフォークと器用に投げられますよね。
最近、日ハムから巨人に移籍してきた田中瑛斗投手がシュートを決め球に使っていて面白いですよ。昔はいましたけど、最近は珍しい。
江夏:シュートと言えばやっぱり平松(政次)か。あのシュートはえげつなかったなぁ。俺はカーブしか投げれんかったけど、最近の野球界では色んな変化球が使われすぎた。もうこれ以上の新しいアイデアは難しいやろ。
工藤:あと何があるんだろう?
江夏:あるとすれば、「上に浮き上がって伸びる」ボールやろな。