愛子さま(時事通信フォト)

愛子さま(時事通信フォト)

11月3日を「明治の日」に制定しようする動きの背景

原:愛子内親王への期待が高まる一方、超党派の国会議員は明治天皇の誕生日である11月3日を「明治の日」とするための決起集会を開きました。昭和初期にも、日清・日露戦争に勝利して一等国に駆け上がった偉大なる明治の日本に回帰しようとのブームが起き、昭和天皇が明治天皇の再来とされて11月3日が「明治節」という祝日になった経緯があります。今回の「明治の日」をめぐる動きも単なる記念日ではなく、明治天皇のような強力なリーダーが登場することへの期待が込められていると感じます。

河西:戦後の象徴天皇制は近代の強いリーダーとしての天皇像を否定し、平成の時代には被災地に寄り添う柔らかさとともに確立されました。しかし日本経済が停滞して国際社会での地位が低下するなか、過去の栄光ある明治の国家と、そこに君臨する男系男子の天皇という権威を復活させたい動きなのでしょう。

原:中国が台頭して台湾有事が囁かれる状況においては、悠仁親王が“強い日本”の政治的なシンボルとして利用されかねない危うさが感じられます。御真影に描かれた威厳ある明治天皇を理想像として掲げ、強い天皇のイメージと「男系男子である悠仁親王こそ天皇に相応しい」という主張が結びつきはしないか。

河西:時を同じくして皇族の減少も危ぶまれています。今年は皇室典範が改正され、養子縁組によって旧宮家の男系男子が皇族に復帰することになるかもしれません。

原:戦後解体された旧宮家はすべて14世紀の南北朝時代に創設された伏見宮家がルーツです。愛子内親王への支持がこれほど高いのに、一般国民だった男性が突然皇族になっても国民が納得できるかも疑問です。

河西:旧宮家の当事者の承諾を得ていないことも問題でしょう。しかし高市(早苗)総理はかねて男系男子による皇位継承を主張し、旧宮家の皇籍復帰にも賛成です。高市さんの支持層と女性天皇支持層は重ならず、初の女性総理が誕生しても愛子天皇誕生への追い風にはならない。男系にこだわる方向へ進むはずです。

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