過去には、1979年にTBSを退社した久米宏を皮切りに、1980年代には古舘伊知郎、徳光和夫、生島ヒロシ、1990年代初頭には福留功男といった人気アナがフリーになり、活躍した時代がありました。NHKからも草野仁や森本毅郎などが成功していますし、ラジオ局の文化放送からも土居まさるやみのもんたがテレビに新風を巻き起こしていった。
しかし、1990年代以降、朝岡聡、辻よしなり(ともにテレビ朝日)などフリーになったアナはいますが、先人たちのような活躍はできていない。
1990年代といえば、SMAPが国民的人気を博し、ジャニーズ系タレントがバラエティ番組を持つようになった時期。要するに、かつて男性フリーアナが座っていたポジションに、タレント、特にジャニーズ系がハマったわけです」
そうした状況下で、以前ならフリーアナの出番だった五輪中継などの一大ビッグイベントのキャスターの椅子も、タレントに取って代わられたようだ。
「結局、局を独立しても、今以上に仕事があるとは思えない。だから、局に留まる男性アナが増えたのでしょう。もちろん、安住アナぐらい人気と実力があれば、フリーになっても起用されると思いますが、時代を読んだ上で独立しないのかもしれません。非常に頭の良い人ですからね」
“なんでもできる”ジャニーズタレントはテレビ界の男性アナウンサー事情にまで影響を与えていたようだ。