芸能

秋ドラマで光った新イケメン 千葉雄大、平山浩之、岩田剛典

 今年も多くの「顔」に釘付けになった。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏がまとめた。

 * * *
 いよいよ年の瀬。振り返ってみれば、ドラマの新たな楽しみ方が増えた一年のように思います。一言でいえば、「キラリと光る役者」を見つけ出す楽しさが。

 世の中に、まだあまり馴染んでいない顔や名前。キャリアは長いけれど舞台中心だった役者さんや、脇役が多かった苦労人、新人などなど。連続ドラマの中に、そうしたキラリと光る人材を見つけ、次のブレイクを占うという楽しさ。人気が爆発する可能性を自分の目で発見していく楽しさ。

 たとえば……今年の前半、象徴的だったのが、あの人物の登場です。NHK朝ドラ『花子とアン』で、蓮子(仲間由紀恵)のおでこにアドリブでチュっとキスし、女性視聴者のハートをわしづかみにした嘉納伝助役・吉田鋼太郎さん。

 舞台中心に活躍しキャリアは長いけれど、お茶の間ではさほど知られていなかった個性派俳優。実は、私が注目し始めたきっかけは、2013年1月に始まったドラマ『カラマーゾフの兄弟』(フジテレビ系)。深夜枠で始まったドラマに現れた吉田さん、むごくて怖ろしい父親を演じました。テレビの枠をはみ出す暴力的な怪演ぶりに、私の目は釘付け。

 この人誰? そのパワー、尋常じゃない。と、その後の動向を追い続けていたら……いよいよNHK朝ドラという国民的舞台に登場し、一気に大ブレイク。吉田さんの「カラマーゾフ」にご興味ある方はぜひ、当「NEWSポストセブン」の「山下柚実 最新ドラマ時評」コーナーで、バックナンバーを紐解いていただけたらと思います。

 とにかく私が言いたいのは、ドラマの楽しみは筋立てや謎解きや演出だけではない、ということ。「自分にとって未知の役者を、発見していく楽しさ」がたしかにある、ということ。

 という視線で、今期の秋ドラマを振り返ると……イチオシは、『きょうは会社休みます』(日テレ系水曜午後10時)で新人サラリーマン・加々見龍生をいきいきと演じている人。千葉雄大さん。

 くねくねっとしたしぐさ、柔らかそうな白い肌、口びるを尖らせまるで天使のような男子。なかなか難しい個性的な役柄を、躊躇なく、しっかり「やり切っている」。そのあたり、骨太です。可愛らしいビジュアルを超えて、何か固い原石を持っていそうな可能性を感じます。

 2人目は、新たな癒し系としてブレイクしそうな気配漂う中年男性。『ディア・シスター』(フジ系木曜午後10時)で深沢葉月・松下奈緒の恋人を演じる、平山浩行さん。ふと身近に居そうな、普通な感じ。ちょっと天然でヌケているあたりも、ストレス社会の女子たちを救済しそう。草食系というよりも、ゴボウとか、ニンジンといった「根菜系」。つまり、女子の体と心を温めくれそうなキャラクター。世の中はこういう人を待っていたのでは?

 ドラマが始まってからずっと、「どこかで見たことあるなぁ」と思い続けていたのですが、やっとわかりました。CM「チオビタドリンク」で菅野美穂の夫役をやっているあの人だ。存在感が今ひとつ薄くて、空気みたい。何となく人々の意識の奥に潜んでいるあたりもいい。ひつじ年にはぴったり。来年、きそうですね。

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン