半世紀あまりを経て、ついに実現した2度目のご訪問。両陛下の願いが叶うのは大変喜ばしいことだが、一方で、ご高齢の両陛下の体調を心配する声も上がった。大寒波に見舞われた日本を発たれ、到着されたマニラの最高気温は30℃近い。寒暖差に加え、やはり飛行機での長距離移動のご負担は計り知れない。

「毎年1月は新年の行事が目白押しで、両陛下のお体にもお疲れがたまっています。例年でしたら、1月末から2月にかけてのこの時期に検診を受けられ、葉山御用邸で静養されます。ですが今年は、フィリピンご訪問に向け例年通りの公務に加え、現地の事情などを下調べなさったり、事前に戦没者の遺族と懇談の機会を持たれるなど、ご多忙の日々の末に出発されたのです」(宮内庁関係者)

 こうした状況を鑑みて、皇室内部では、「そろそろ名代を立て、皇太子さまにお任せになればよいのではないか」という声も上がっていた。

「ですが陛下は名代を立てないという選択をされました。特に今回のフィリピンはご自分たちが行かなければという思いが強かったのでしょう。陛下としては、海外訪問などで不在のときを除いて、すべての公務にご自身が対応されたいという思いがおありだった。

 今回のフィリピンを転機に、少しずつ公務を減らし、皇太子さまや秋篠宮さまに引き継いでいかれようとするお考えはお持ちのようですが、それでもこと“慰霊”に限っては、お体が動くうちはご自身でまっとうするお考えなのです」(前出・宮内庁関係者)

「皇室は、祈りでありたい」

 かつて美智子さまはそうおっしゃった。戦後71年目の“祈りの旅”に寄せられる両陛下のお気持ちは、深い。

撮影■太田真三

※女性セブン2016年2月11日号

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