大型新人アナとして、入社半年で『おもいッきりイイ!!テレビ』のアシスタントに抜擢されるも、11年1月に退社。大型レギュラーをもたせてもらっても、勘違いするようなタイプではなかったし、後輩女子アナの面倒もよく見ていた。編集者志望だったからだろうか、裏方仕事もよくやっていた気がする。
だが、写真誌の一件で日本テレビを追われ、フリーに。果たして、この年代の局アナ出身の女子アナで唯一、帯番組のレギュラーをもっているのが夏目である。
熊本地震の報道に話を戻す。テレビ局では、阪神淡路大震災の経験が東日本大震災に活かされなかったことが大きな課題になっていた。地震の報道や、その後の報道について、身をもって体験していた在阪局のディレクターや記者、アナウンサーらの知識は専門的なことを含め、とても深かった。
が、それが在京局にももたらされなかったのは、直後に地下鉄サリン事件が起きたからだと言われている。阪神淡路大震災報道にまつわるさまざまな教訓は、在阪局だけのものになってしまったと彼らは嘆く。
思えば夏目は大阪出身なので阪神淡路大震災を経験している。TBSでは、『あさチャン!』に続く、『白熱ライブ ビビット』の真矢ミキも宝塚歌劇団の花組トップに就任した年、阪神淡路大震災に遭っている。そしてTOKIO国分太一は、『ザ!鉄腕!DASH!!!』(日本テレビ系)で東日本大震災の被災地・福島県への強い思い入れがあるタレントだ。
偶然ではあるが、こうした出演者の経験に基づくコメントが並んだTBSの番組がリードした熊本地震の翌朝だった。
当然だが、午後は、阪神淡路大震災の現場を朝日放送の局アナとして連日取材して回った宮根誠司の『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ・日本テレビ系)が群を抜いていた。が、その読売テレビでも、阪神淡路大震災の取材を経験している局アナは半数にも満たなくなってしまっている。そこで同局では、先輩アナが中心となって、後輩たちへのセミナーを行っているという。
在京局のテレビ局は、被災者の皆さんの心に寄り添うことがどれほど大事なことか、改めて系列局との情報を“共有”してほしいものだ。