その点、この4月、「思い切ったリニューアルをした」と他局も注目している『あさチャン!』(TBS系)は、白シャツに黒スーツという出で立ちの夏目三久をメインに、ずっと地震関連のニュースを扱っていた。
『あさチャン!』がなぜ「思い切ったリニューアルをした」と言われているかというと、番組全編がほぼニュースになったからなのである。
NHKを除く民放の横並びがどんどん若者向けにシフトしていくなか、みのもんたの『朝ズバッ』の流れを汲む『あさチャン!』には、F3(50才以上の女性)、M3(同・男性)の視聴者が付いていた。
以前は、テレビ朝日の早朝枠もF3、M3に強いと言われていたが、『グッド!モーニング』は明らかにF2やM2にシフト。在宅率が高く、人数も多いF3、M3層をNHKとTBSが分け合うこととなっていた。
が、みのから夏目に変えた時点では、もう少し若い層を狙っていたのも事実。およそ女子アナっぽくないモード系ファッションで、ストッキングではなくソックスで登場した夏目は、女子アナのヘアメイクとは一線を画す“尖った見た目”でもあったせいか、番組開始当時、おばさんやおじさんに好まれなかったものだ。
当然のことながら視聴率は芳しくなかったのだが、ネット局を中心に最近、数字が上向いている『あさチャン!』。夏目の見た目も徐々に年配視聴者に好まれるようなものに改善され、4月からレギュラー陣を一新し、ニュースを伝える番組にシフトした。お天気キャスターに『ニュースウォッチ9』(NHK)の井田寛子気象予報士を据えたのも、F3、M3対策の一つだ。
3月で『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)を卒業した夏目は、『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)と『あさチャン!』により、ニュースキャスター・夏目三久として、腹をくくったようだ。
もともと出版社志望だったという彼女が新入社員のとき、『恋のから騒ぎ』(同)の説教部屋セットに現れ、明石家さんまからの質問に堂々と答えているのを見たのは9年前のことだ(オンエアはせず、入社式で流された)。
大阪出身なので、お笑いが好きだという彼女に対し、「芸人で好きなのは?」と聞いた明石家さんまに、「チュートリアルの徳井さん」と答え、さんまさんからピコピコハンマーで何度も叩かれていた夏目。