当時も視聴者はさまざまな想いを抱きながらワイドショーを見ていたと思う。が、その意見の大半は表沙汰になることがなかった。
しかし、いまはネットがある。そのことを芸能人や芸能プロダクションはもっと重要視すべきではないか。起こってしまったことはしかたがない。が、テレビカメラの向こうは“お茶の間”だけではなく、パソコンやスマホを介した“ネット民”がいることを知って会見の内容や構成を考えるべきなのではないだろうか。
ベッキーを「降板」ではなく「休養」にして彼女の復帰を待ち続けているテレビ局側も、スポンサーも、このネット民のジャッジというのをひじょうに気にしているフシがある。
ネット民といっても、一昔前と違って、一部の特殊な人たちを表しているのではない。年齢層で区切ると、F4、M4(60才以上の女性と男性)から下、F3、M3(50才以上の女性と男性)の半数ほどはもう、視聴者=SNSに馴染みのあるネット民と言ってもいいのではないか。もちろん、それより下からT(ティーンエイジャー)は全員だろう。
『週刊文春』の第一報から、テレビ局やスポンサーには「ベッキーを出しているということは不倫を肯定しているのか」「子供に説明がつかない」といった“御意見”が多数寄せられた。
昨年中に収録している番組が多く、編集で、ベッキーの出演シーンをできるだけカットしていたのに、この反応は収まらなかった。
休養後は、「なぜ休養なのか、降板ではないのか」という御意見に変わった。一手間かかる電話や葉書ではなくメールだったからなのか、その数は驚くべきものだったのである。
そして“ベッキーの手紙”報道後のネットの反応も、ひじょうに厳しいものとなった。コメンテーターの中にも「あざとい」「我慢がない」と言う人がいて、「来月」とも言われるベッキーの復帰は、そう簡単にはいかないと予測される。
過去にも不倫が原因で仕事を失った芸能人が居た。たとえば「不倫は文化」の石田純一は、当時、ニュースキャスターをしていたが、その番組を結果的に降ろされた。いまではご存知の視聴者もだいぶ少なくなっただろうが、『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)の「J」は「純一」の頭文字だったのである。
最近では麻木久仁子か。彼女に夫を略奪された大桃美代子が、離婚してずいぶん経ってからTwitterで怒りをぶちまけたことから明らかになったこの騒動。当初、バッシングされたのは大桃だったが、元夫の山路徹氏と麻木が結婚していたことが大桃の会見でわかり、流れはいっきに変わった。