「それまでお茶汲みだった女性たちが、男性と同じような働きを求められ、一方でこれまで同様、結婚して出産するのが当たり前と見られ、とても求められていることが多かった。そんな中で、仕事を辞めずに働き続ける女性は、みんな必死であがいて生きていたと思います。

 私は26才で結婚して、2年後に子供を出産して無認可保育所に預けて、ずっと走り続けていたように思います。とはいえ、どれもこなそうとするあまりにどれもが中途半端…。窓際OLとなりながらも、家と会社と残業とコンビニの狭い生活圏の中で生きていました」(斎藤さん)

 一方の聖子は1997年に神田正輝と離婚し、翌1998年、6才年下の歯科医と再婚。「ビビビ婚」と称してまた華やかに会見した。だが2年後に離婚、今度はアメリカ進出を果たす。

「私はといえば、狭い生活圏の中で必死に生きているのに、この違いは何だろうって思いましたね。好きでも嫌いでもないけど、こうして彼女のことは知っている。松田聖子ほどプロフィールを知っている芸能人も他にはいないのでやっぱり気になる存在なんだと思います。

 嫌い嫌いも好きのうちと言いますが、そうなのかもしれないですね。なんやかんや言いながら、私は松田聖子という女性に充分洗脳されているように思うんです。 それもいつの間にか洗脳されているんです」(斎藤さん)

 聖子と同世代のアラフィフ女性たちは、仕事も家庭も両立させたいと強く思い、そこに向かって走り続けた世代だ。だからこそ、いつも何食わぬ顔で生きている松田聖子が、時に“洗脳”のように、心の奥深くに刻まれ、自分を責めたり、憧れたり、常に聖子との差に苦しむのだろう。

 まぶしいほどの脚光を浴びながら、たくさんの賞讃とそれを上回るかもしれない非難と悪意の中を軽やかに生きている聖子。彼女が50才のときに再々婚をした相手は、慶応大学大学院の准教授で、歯科医師のA氏、略奪の末のゴールインだったと当時報じられた。

 一方で2004年から恋人であるといわれていたマネジャーとの関係もまだ続いているのではないか、そして今A氏とは離婚が近いのではないかなどと噂が飛び交い、そんな母に沙也加は絶縁したり、仲直りしたり…聖子を巡るスキャンダラスな話は相変わらずだ。

「でも松田聖子は美しい。富士フイルムのCMなどを見ると、同じ年なのに、この違いは何だろうと思わせる。ふと見たときの疲れた自分の顔に、あ~…と、ため息が出るわけです。私にはシミもあるし、ほうれい線もあるし、しわもたくさんあるし、体重だって60kgを超えている。

 意識をしてないつもりでも、無意識のうちに彼女の存在を感じてしまっているんです。それは今後もそうだと思います。でも松田聖子に生まれ変わりたいとは思わない。それも不思議なんですが」(斎藤さん)

※女性セブン2016年8月4日号

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