昨夏に山口県知事と会談した際、安倍首相は「明治維新から50年(1918年)の総理大臣は山口県出身の寺内正毅、100年後(1968年)は佐藤栄作だった。150年後も山口県出身の安倍晋三となるよう、なんとか頑張りたい」と語り、維新150年への思い入れは人一倍強い。
「山口県では安倍首相の意向もあって、明治維新150年に向けたイベントが多く企画されている。昨年8月には薩長土肥(鹿児島、山口、高知、佐賀)の4県知事と観光団体関係者が東京で一堂に会し、2018年に向けた4県連携による広域観光プロジェクト『平成の薩長土肥連合』を発足させた。4県をまたぐスタンプラリーなどの企画が展開されている。
大河ドラマが西郷隆盛に決まれば、薩長土肥が連携しての観光振興にさらに弾みが付くのは間違いない」(山口県の観光業界関係者)
西郷が主人公の大河は安倍首相の地元への観光振興策にもなるというのである。
「『花燃ゆ』がヒットしていれば、伊藤博文あたりの長州の偉人を主人公とする可能性もあったでしょうが、視聴率で惨敗した以上、2018年も長州というのはあまりにも不自然。もちろん、長州の仇敵である会津から主人公を出すわけにもいかない。土佐出身の坂本龍馬も2010年に『龍馬伝』で取り上げたばかり。薩長同盟の相手である薩摩の西郷隆盛に落ち着いたというのはうなずける結果です」(前出の放送関係者)
※週刊ポスト2016年9月9日号