国内

がん治療は是か非か 専門医が語る「がん放置療法」の現状

「がん放置療法」の近藤誠医師

 現代の怪談のひとつに、「がん死が減らない」ことがある。かなり前から「がんは治る病気になった」「手術も抗がん剤も目ざましく進歩」「とにかく早期発見・早期治療を」と、国も医療界も連呼している。しかし、がんで死ぬ人は1981年以来増え続けて、なんと35年以上も「日本人の死因のトップ」に君臨。「治る病気」には、全くなっていないのが現状だ。

「早期発見・早期治療」が功を奏していないことも、前立腺がんのPSA検診や、乳がんのマンモグラフィー検診でよくわかる。検診が強く勧められ、「がん」と診断される人が以前の10倍前後に増えているが、がん死は全く減っていないのが現状なのだ。

◆あわてて治療して早死にする人、治療しないで長生きする人

 著名人が人間ドックでがんが見つかり、治療に突入して、いたましい最期を迎える例が、あいかわらず多い。

 タレントの大橋巨泉さんは人間ドックで「胃に疑問な部分がある」と言われて内視鏡検査で早期胃がんと診断され、11年間に手術5回、放射線治療4回、抗がん剤治療を2回。やせ衰えて病院のベッドと車椅子で長期間を過ごし、結局がんに命を奪われた。

 亡くなる数か月前のエッセイでは、「老いた体をベッドに横たえ、たまに車椅子で外に出ればすぐに高熱を出す始末」「ボクにはこれ以上の体力も気力もありません」と、精も根も尽き果てた様子だった。

 またエネルギッシュに活躍していた元横綱千代の富士(先代の九重親方)は、人間ドックで早期すい臓がんが見つかり、手術をするも1年で亡くなった。同様に歌舞伎役者の第18代勘三郎さんは食道がんの手術から4か月で、女優の川島なお美さんは、肝内胆管がんの手術から1年余りで亡くなっている。

 一方、俳優の緒形拳さんを始め有名無名を問わず、がんの治療を拒んでいままで通りに何年も活躍し、亡くなる直前までふつうに暮らした人も数多くいる。

◆卵巣がんやスキルス胃がんを放置して何年もふつうに暮らす患者も

関連記事

トピックス

5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン