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有名人のドラッグ摘発が頻発する裏事情

 疑惑のタレントに近しい筆者の知人によれば、現在のような「噂が噂を呼ぶ」状態の中で、タレントにまつわる有象無象の情報が飛び交っているという。その結果、警察当局やマスコミ関係者らが振り回されているのが現実らしい。

 実際、筆者のようなライターの元にも、有名人と薬物にまつわる、先入観やイメージが発端としか思えないような「タレコミ」が続々と寄せられる。”ドラッグラッシュ”が呼び寄せた新たな混乱というわけだが、この混乱が起きる理由は「ガセネタ」が飛び交っているからだけではなく、警察当局や司法当局のその姿勢によるところも大きいと、捜査関係者が説明する。

「清原を挙げた(検挙した)のは警視庁の組対五課でしたが、高樹沙耶は麻取(マトリ)が検挙しています。警察と厚労省という、別々に捜査権限を持つ機関同士が、いわばお互いのメンツを掛けてバトルしている、という状況は確かにあります」

 警視庁の組織犯罪対策五課、通称「組対五課」は、銃器や薬物関係の犯罪を捜査する部署だが、一方の「麻取」は、警察組織ではなく、厚生労働省の元に組織された麻薬取締部に属する捜査官、麻薬Gメンのことを指す。

「組対五課と麻取の間で、薬物や薬物を扱う暴力団情報のやり取りをすることはありますが、大物芸能人の検挙など大きなネタに関しては、それぞれ独自でやることが多いのです。”大物芸能人”についての”内偵情報”をマスコミにリークするのは、このネタはうちがやっているのだと内外にアピールする狙いです」

 ASKAの再逮捕が報じられた際のメディアスクラムや、報道の加熱ぶりはネットを中心に大きなトピックとなり賛否両論を招いた。来年も本当に同じような”ドラッグラッシュ”が続くのか。

 筆者は二年前、危険ドラッグについて拙著「脱法ドラッグの罠」の巻末で、首都圏における危険ドラッグ規制が及ぼす二次的被害について、危険ドラッグが地方や韓国や中国、アジア諸国に流れるのではないかという危惧と、大麻回帰について言及した。現在も複数のドラッグ経験者や現役の常用者へ取材を続けているが、そのなかで、ドラッグ業界をとりまく状況の変化が見えてきた。ある常用者は、現在の薬物入手方法の大きなトレンドに、自給自足があげられると指摘する。

「危険ドラッグが規制された後、大麻に戻った連中が大勢います。それとともに大麻での検挙数も一気に増えた。売買のリスクが大きいから、高樹沙耶のような”大麻コミュニティ”を作って、自家栽培の大麻を仲間内で楽しむ人々は、地方を中心に大勢いる」

 筆者の地元、九州北部で農家を営む男性は、農産物の栽培と並行して密かに大麻草の栽培も行っている。飲み仲間や近所の友人などと、食料品や雑貨品との物々交換によって大麻の取引をしているというのだ。大麻の栽培や所持については「誰の迷惑にもなっていない」と、一切悪びれることもない。覚せい剤やコカイン、危険ドラッグについても、使用者を取り巻く状況は刻々と変化し続けている。

「シャブ(覚せい剤)は以前に比べ手に入りやすくなっています。多少リスクはあれど、漫画喫茶からネットを通じて、その日のうちに手に入れることが可能なんです。シャブを扱っているプッシャー(売人)に言えば、コカインだってほぼ確実に用意してくれる。プッシャーも他人名義や架空名義の飛ばしの携帯を使ったり、足が出ないようにしているから、簡単には捕まらない。そもそも、シャブやコカインにハマった状態で、善悪の判断なんかできません。とにかくブツがあればいい。金さえあればいつでも買えるわけですから、やめられるわけがない」

 こう話すのは、覚せい剤やコカインの所持で逮捕された経験を持つ現役のドラッグ密売人だ。安全に「売る方法」は日々進化していると自信満々で説明するが、新たなビジネスの追求にも余念がないそうだ。

「実は、新たな合法ドラッグ(危険ドラッグ)の開発に成功した人間がいます。これまでのようにお香や葉っぱ状のものではなく、摂取方法も革新的なものですが、キマリ方が甘い。これじゃ売れないということで、改良を重ねています。」

 果たしてその新たな「ドラッグ」が、どれほど危険で、人体にどのような影響を及ぼすものか未知数だが、彼らの快楽を求め続ける姿勢の前には法もモラルも存在しない。2017年も”ドラッグ”報道は止みそうにない。

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