◆「自分の形」にこだわるな
選抜優勝候補の一角・大阪桐蔭の西谷浩一監督は、2年前の夏にU-18侍ジャパンの指揮官として清宮を指導した。大会終了後、清宮に対し、こう苦言を呈していたことを覚えている。
「彼はよく、『自分の形』という言葉を口にする。それを大事にするのは重要ではありますが、こだわりすぎるきらいがある。そこがこれから2年間の課題」
選抜を前に、改めて西谷監督の清宮評を訊ねた。
「特に内面(精神面)が成長したように思います。野球というスポーツは、主導権は投手にある。全打席で自分の形で打つことは不可能。崩されても打ち返す対応力という点では、2年前から成長が感じられます」
甲子園のライトスタンドに放物線を描いた松井秀喜や前述の筒香ら左のスラッガーたち。メジャーや国際大会ではさらに輝きを放った。清宮や安田が同じように成長を続け、侍ジャパンの4番を打つ日がきても、何も不思議ではない。
※週刊ポスト2017年4月7日号