麻耶は、30代目前のアナウンサーなら誰もが夢見る帯の報道番組に大抜擢される。編成は、一気に“麻耶シフト”となり、人気番組の曜日や放送時間が大きく動いた。結果、これが裏目に出てしまい、麻耶は戦犯とされ、番組は一年で終了した。
このとき、かなり落ち込んでいた麻耶に「すごいやないか、一年も続いたんやから」とポジティブな言葉をかけてくれたのは明石家さんまで、麻耶は「救われた」と聞く。
その後の彼女は、ずいぶん楽なスケジュールとなり、13年暮れ、健康雑誌の対談のため、久しぶりに会った麻耶から出て来るのは「ほんとにオババカで…」「姪っ子や甥っ子のオモチャとか絵本とかばっかり買いまくってます」と、いつものハイトーンボイスで嬉しそうに話してくれた。
その後、市川海老蔵の密着番組を見た。まだ一歳前後だった勸玄くんを抱っこし、あやしていたのは麻央さんではなく、麻耶。姉の麗禾ちゃんもよく麻耶に懐いているように見えた。
とても驚いたのは、麻耶が立って勸玄くんをあやしているのに、麻央さんはどっしりと座ったままだったこと。お子さんたちと共にキャッキャキャッキャと声を上げているのは麻耶のほうだったのである。
一卵性姉妹ともいうべき仲の良さの麻耶と麻央さんだが、私が『恋のから騒ぎ』で見ていたときと変わらず、この姉妹は、姉が妹キャラ、妹さんがお姉さんキャラなのだ。
16年5月19日、小林麻耶がレギュラー番組の『バイキング』(フジテレビ系)生放送で、20分程のVTR中に退席。その後、救急搬送されたことがわかったのは翌20日のこと。
スタジオの前室では呼吸をするのも苦しい様子で、自分からは動けないような状態だったそうだ。搬送先の病院では、一時、意識を失うこともあったと聞いて本当に驚いた。
なぜなら、アナウンサー時代、あれだけ過酷を極めたものの、「倒れた」という話を聞いたことはなかったし、そのときより年齢を重ねているとはいえ、仕事のペースを見る限り、「過労」とは考えにくかったからだ。
そして「麻央さんが進行性のがんを患い、極秘入院している」とスポーツ報知が報じたのは6月9日。麻耶ちゃんは仕事の合間の時間をすべて、麻央ちゃんの看病に費やしているのだ…と、すぐにわかった。
妹を力づけるだけでなく、麻央さんに代わって、姪っ子さんや甥っ子さんの幼稚園の送り迎えや、遊び相手なども麻耶が一手に引き受けていることも想像がついた。