V9を支えて“エースのジョー”と呼ばれ、引退後は20年間巨人のスカウトを務めた城之内邦雄氏の提言は、とにかくシンプルだ。
「一番はね、走ることですよ。野球は“瞬間の力”の勝負です。投手なら“腕を振る瞬間”、打者なら“インパクトの瞬間”のスイングの鋭さが大切なんです。
梅雨を過ぎて夏の時期になると、どうしてもキレが悪くなる。これを改善するには、シーズン中でも走り込むことです。V9時代も多摩川で走り込みました。今の選手もいい技術を持っている。だから、あとは走ってキレを作れば勝てる。
菅野(智之、27)も走るべきだ。エースなんだから、味方が打てないなら点を与えなければいいだけです」
キャプテン・坂本勇人(28)を筆頭に試合前に選手たちが外野フェンス際でダッシュを繰り返す──“由伸巨人は生まれ変わった”という印象になるのは間違いない。
※週刊ポスト2017年7月21・28日号