芸能

紅白歌合戦の存在意義を考察 小林幸子への待望論も出る

紅白の存在意義とは?

 大晦日に放送される歌番組NHK『紅白歌合戦』。かつては大晦日といえば、家族で紅白を見ながら食卓を囲む人が多く国民的番組とも言われたが、今は民放の番組を楽しむ人や、そもそもテレビを見ない人も増えている。そんななかで、紅白の存在意義はどこにあるのだろうか? コラムニストのペリー荻野さんが綴る。

 * * *
 今年のNHK『紅白歌合戦』は、なぜ小林幸子を出場させなかったのだろう? 先日放送されたBS朝日『日本の名曲 人生、歌がある 生放送5時間スペシャル』を見て、今さらながら、そう考えてしまった。そもそも「紅白」の魅力とは何か。
 
 思いつくままに記してみれば、「大晦日だけの豪華な歌の祭典」「その年を代表する歌手が一堂に会しての生放送」「初出場歌手、久々復活歌手の感極まる歌唱シーン」「よく知らないけど歌がうまい歌手、名曲との出合い」「日本で一番人気(だと思われる。抽選による観覧当選倍率は1000倍を超えることも)の無料公開番組」といったところだろう。

 しかし、多チャンネル時代の今、上記の魅力ポイントのほとんどは民放の特別番組にしてやられてしまっている。テレビ朝日の『ミュージックステーション』がスペシャルで長時間生放送になるのは、当たり前のようになっているし、TBSは安住紳一郎司会の『あなたが聴きたい歌のスペシャル』や『音楽の日』を放送。

 フジテレビも夏の恒例番組『FNSうたの夏まつり』に今年はデビュー50周年の森山良子、45周年の谷村新司、生誕80年の加山雄三、そしてフジテレビの音楽番組で歌うのは実に30年ぶりというデビュー50周年の萩原健一まで登場させるなど力が入っている。歌番組の「長時間」「生放送」は、今や珍しくないのだ。

 冒頭に書いた『人生、歌がある』も、5時間の生放送の中で、司会の五木ひろしはじめ、伍代夏子、坂本冬美、八代亜紀、瀬川瑛子、宮路オサム、研ナオコらベテランから、正直、Who are you?と言いたくなる謎の歌い手もたくさん出ていたが、面白さは満載だった。

 ヨーロッパのスカーフみたいな派手柄振袖の島津悦子が持ち歌『焼酎天国』をくるくる回りながらお陽気に歌えば、スタジオの席にいた角川博も思わず立ち上がって踊り出す。血色のいい唇が悩ましい王子様系の竹島宏が身もだえするように思いを込めて『禁じられた想い』を歌い上げる。ピンクと黄色いバラの振袖というこれまた奇抜な衣装の岩本公水がマイクに白いハンケチを巻いて思いっきりストレートな歌詞が炸裂する楽曲『演歌はいいね』で盛り上げる。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン