上記にあげた中で、吉岡里帆さんと山﨑賢人さんは深夜帯を含めても連ドラ初主演であり、志尊淳さんもプライム帯の連ドラ初主演、広瀬すずさんは3年ぶりの連ドラ主演、仲里依紗さんも6年ぶりの地上波連ドラ主演など、各局がこれまでとは異なるキャスティングをしていることは間違いありません。
では、なぜこのタイミングでそろったのか。いくつかの理由が考えられますが、最大の理由は「一年の中で、冬がベターな時期だから」。
4月スタートの春ドラマと10月スタートの秋ドラマは、若手俳優最高の登竜門である朝ドラとスタート時期がかぶるほか、特に秋ドラマは例年『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)や『陸王』(TBS系)のような大作が多く、競争の厳しい時期。また、7月スタートの夏ドラマは、イベントや長期休暇などで在宅率が低く、視聴率獲得が最も厳しい時期だけに、すでに実績のある若手俳優しか抜てきされません。
春、夏、秋、いずれも、テレビ局が若手俳優を主演に据えて挑戦するのが難しいだけでなく、若手俳優の所属事務所としても「できれば避けたい」と考える時期なのです。一方、冬ドラマの放送時期は、寒さや大きなイベントがないなどの理由で在宅率が高い上に、1月は新年のスタートでもあり、フレッシュな若手俳優の抜てきに最適。
実際、2013年に『ビブリア古書堂の事件手帖』(フジテレビ系)の剛力彩芽さん(プライム帯単独初主演)、2014年に『明日、ママがいない』(日本テレビ系)の芦田愛菜さん(連ドラ単独初主演)、2015年に『学校のカイダン』(日本テレビ系)の広瀬すずさん(連ドラ初主演)、2016年に『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の有村架純さん(民放連ドラ初主演)、2017年に『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)の西内まりやさん(月9初出演初主演)など、毎年若手俳優が主演に抜てきされ続けています。
◆連ドラの未来を考えた上での抜てき