あのSMAPが「光GENJIの次は僕たち」とデビューするも件の歌番組の大半が終了。バラエティー番組にシフトチェンジしたことで国民的スターになったのは皆さんもご存じの通りである。
女性アイドルも同様で、89年、「ワカコドキドキ」なるキャッチと共に歌手デビューしたり、『魔法少女ちゅうかないぱねま!』(フジテレビ系)でヒロインを務めるなど、アイドルとして華麗なるスタートを切った島崎もすぐにバラエティーへの変更を余儀なくされる。
先にデビューしていた井森美幸や森口博子、山瀬まみらに“バラドル”という名称がつき、バラエティー番組から引っ張りだことなって今に至るが、この3人と島崎との決定的な違いは、島崎が最初から振り切れていたということなのである。
島崎のデビューは例の3人より3~4年後だ。つまり、歌謡界の先細りはさらに顕著になっており、そこが島崎の“迷い”をなくしたのだと思われる。
4人の中では山瀬のみが既婚者で、料理上手という一面を活かした活躍も目立ったし、『火曜サプライズ』や『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)、『新婚さんいらっしゃい!』(朝日放送・テレビ朝日系)など長寿番組のMCとして安定しているせいか、ヒナ壇に座ることはない。
一時、“ものまね女四天王”の一人としても名を挙げた森口博子は、実は「歌手」の旗を一度も下したことがない。『紅白』出場歌手でもあり、その歌唱力は抜群。今もCDをリリースしているし、ライブやディナーショーも行っている。
そして井森美幸は、ヒナ壇もロケもイケる元祖・バラドルとして安定した活躍をしている。ずっと出続けているからだろうか、髪は黒々、肌はピチピチ。好きな言葉ではないが、全く“劣化”していない、そのルックスには心から驚かされる。
この3人が、アラフィフなのに根っこのところで“ぶりっ子”を忘れていないのに比べると、やはり島崎和歌子の振り切れ感はものすごい。
体形もイイ感じで中年のそれになり、ファッションも年相応のオシャレな装い。大ぶりなイヤリングやネックレスが美人顔にマッチしている。
ヒナ壇で隣に座ってみると、彼女の瞬発力や的確なコメント力に心から驚かされる。
『1周回って知らない話』(日本テレビ系)MCの東野幸治は、「島崎さんは、リアクションが誰よりも速いんですね」と驚いている。確かに島崎は、VTRを見ているときも、ゲストが話をしているときも、一瞬たりとも気を抜かず、ヒナ壇に座るタレントたちよりはもちろん、芸人の東野よりも先に何か一言放つのである。
新人が同じことをすると「頑張り過ぎ」「うるさい」との反応を視聴者にもたれてしまう場合が多いのだが、島崎の一言は常に気が利いており、“笑い”が生まれるものばかり。会話への“入り方”も常に絶妙なのである。
語彙やバリエーションの豊富さ、自分の入るべきタイミングを逃がさず、短いセンテンスで笑いをとれる…ということで考えると、ヒナ壇におけるリアクション芸の天才・陣内智則やアンタッチャブルの山崎弘也並みと言えよう。