とはいえ、芸人とは異なり、島崎のリアクションに、いわゆる“パターン”は存在せず、“ウケ狙い”として事前に用意しているものでもなさそうだ。つまりはスタジオの流れの中で瞬時に発せられるものばかり。しかも、その声というのが野太くてボリュームが大きくて、彼女のマイクの音量がしぼられていたとしても、他のマイクが拾ってしまうほど存在感抜群なのである。
自分の役割を即座に理解し、ゲストが先輩だったとしても、そのゲストが活きるようなツッコミを恐れずにする。これが長時間の生放送「感謝祭」でも活きている。
喋りがダラダラしておらず、短くまとめる天才だから、番組中、常に時間と闘わなければならない「感謝祭」にはなくてはならない存在。バラエティー番組のヒナ壇に座ることを厭わず、やり続けてきたことで、どのタイミングで何を言えば、何をすればいいか、そして、“使いどころ”はどこなのかを熟知しているからこその島崎最大の強みなのである。
「感謝祭」は老若男女、オールジャンルの芸能人、有名人が大集合する番組でもあるが、タレントとして“ベテラン”の域にきているうえ、芸能通でもあり、トレンド通でもある島崎は、出演者の名前やプロフィールがしっかり頭に入っていて、目配りができている。
そうかと言って、新人に対して上から目線になることもなければ、現在の“相方”今田耕司の邪魔もしない。段取りや進行が完璧に入っているのである。
もちろん、野太くて大きな声で笑うことは忘れていないし、出演者をどこか客観的に見ながら面白がっているようなところもある反面、「赤坂5丁目ミニマラソン」でのタレントの力走に涙するような場面もあった。
この仕切りができる女性タレントや女子アナは他にいまい。島崎和歌子の話術は、もっともっと評価されるべきだし、改めて、彼女を抜擢した島田紳助氏の先見の明に感服だ。
果たして3月31日(土)ゴールデン&プライムタイムの視聴率戦争の結果やいかに? ある意味、歴史的な一夜を興味深く見守りたい。