秋までふた桁の番号を背負っていた一塁手の石川瑞貴は、同ポジションのライバル・井阪太一から「3」を奪い取ってセンバツを迎えた。
「秋はベンチにいて、正直、悔しい思いをした。明治神宮大会が終わったあと、メンバー争いもゼロからの状態で再スタートしたんです。これはチャンスだと思って前向きに取り組みました」
そんな元ボーイズジャパンの4番も、大阪桐蔭の最強世代の中では7番に回る。
◆“B戦”では個人プレーに走る
一方、控えの井阪は準決勝の9回、サヨナラのチャンスで打席に入るも、セカンドゴロに倒れた。このまま黙って「背番号3」を明け渡すつもりはない。
「今は自分に結果が出ず、反対に石川は結果を残した。チームの勝利が最優先なんで、自分はどんな結果でも良いんですが、背番号は奪い返したい。今後は練習量だけでなく、何事においても、あいつよりやってやろうと思います。直接本人に『お前には負けへん』みたいなことは言っています」
熾烈な一塁手争いを監督の西谷浩一はシビアにこう振り返った。
「秋の大会が終わってから石川の方が結果を残した。井阪のそれまでの実績よりも、石川の勢いの方が勝ると判断しました」