「マイケルは天に召されたので、もう後ろで踊ることはできない。だけど、2007年にマイケルの前で踊った後、バックステージに入ると、マイケルが近寄ってきてくれて、『ユアー・ベリー・クリエイティブ』と褒めてくれた。『(木野がアドリブで行なった振付について)どうやってそのフリをやるんだ。教えてくれ』とも聞いてくれたんですよ。大統領より1対1で話すのが難しいと言われる本人と至近距離で会話できて、認めてもらえたことが嬉しかった。本当にピュアな人でした。
たぶんバックダンサーとして踊っても、マイケルに認識してもらうことはできない。だから、それで良かったのかなって」
1つの夢は破れたかもしれない。だが、木野は夢以上のものを掴んだ。背景には、たった1回のチャンスをモノにするだけの弛まぬ努力があった。そして、苦難を乗り越えた男の技術がこの日のステージに凝縮されていた。