中曽根氏は3人に中曽根路線を引き継ぐことまで約束させた。安倍首相も総裁任期延長の党則改正を行なった。しかし、今年9月の総裁選で“ポスト安倍”に名前が挙がる石破茂氏、野田聖子氏、岸田文雄氏の3人は“安倍政治からの転換”を掲げる三者三様の政策作りを急いでいる。
「安倍さんは後継者づくりに失敗した。お気に入りの稲田朋美・元防衛相にタカ派路線を引き継がせようとしたが、本人に実力が伴わずに自滅した。下村博文・元文科相も同じだ。残った3人はというと、石破(茂)氏や野田(聖子)氏は政敵で、岸田(文雄)氏もリベラルで安倍首相とは思想が違う。安倍首相が9月の総裁選で3選してもしなくても、ポスト安倍に安倍路線が否定され、キングメーカーにはなれない」(同前)
これも人事に私情を入れ、能力ではなくイエスマンとお友達を重用してきたツケが回ってきたといえる。
※週刊ポスト2018年6月15日号