「落ち目になった政権が人気回復を狙って国民栄誉賞を利用することは過去にもありました。安倍政権が過去最低の支持率である今回の授与のタイミングは言わずもがな。アスリートの努力の結果が政治の道具にされるのはご本人にとっても不本意でしょう」
また、「他の選手の実績との比較」から羽生の受賞はスッキリしないという声もある。「五輪連覇」なら柔道の野村忠宏(43才)は3連覇しているし、谷亮子(42才)も2連覇している。体操の内村航平(29才)は2連覇に加えて世界選手権でも6度優勝しているが、いずれも受賞していない。北島康介(35才)はアテネ五輪後にも北京五輪後にも「候補」として名前が浮上したが、結局、授与されずじまいだった。
さまざまな意見がある上で、今回羽生が受賞したのは、たんに「アスリートとしての実績」が評価されたからではないという部分が大きいようだ。
「被災者の“痛み”を背負って滑るような彼の姿が、どれだけ被災地を励ましてくれていることか。彼が受賞することは被災地にとっても大きな喜び。堂々と受け取ってほしい」(宮城県在住・女性・52才)
宮城県仙台市出身の羽生は、「3.11」のその瞬間も仙台市内にあるスケート場にいた。活躍して得たお金は、惜しみなく支援に使い、金メダルの報奨金はソチ、平昌両大会とも震災復興のためにと全額被災地に寄付している。
授与決定を受けて、羽生はこんなコメントを発表した。
「この賞が被災地やスケート界にとって明るい光になることを願っている」
※女性セブン2018年6月21日号