田原は1987年の『ラジオびんびん物語』(フジテレビ系)から1993年の『愛してるよ!』(テレビ朝日系)まで7年連続で連続ドラマに主演。映画も1987年公開の『瀬戸内少年野球団・青春篇/最後の楽園』、1992年の『課長 島耕作』に主演するなど、歌手としてだけでなく役者としても活躍していた。

「2000年代に入ってからもオファーがないわけではないようですが、出演には至っていません。過去に主演ドラマで時代を築いた大物だけに、出方に気を遣うのはよくわかります。今のテレビの主要な視聴者層である40~50代は、若い頃にトシちゃんのドラマを見ている。田原俊彦が久々の出演となれば、食い付く可能性は高い」(同前)

 かつて、田原は『教師びんびん物語』などの脚本家である矢島正雄氏との対談でこう語っていた。

〈田原 矢島さんって僕の中ではすごく特別ですね。役者やってて、一世を風靡するような、時代を作るような作品に出会えることって、生涯を通じて2回あるかないかだと思うんです。僕にとって、その1発目が矢島さんと出会って作った『びんびん──』という作品で、これは僕らの宝物です。

矢島 本当、そう思う。

田原 コンビは僕が26歳で、矢島さんが36歳の時に始まったんです。一生おつきあいさせていただきたい。すごくうれしかったのは矢島さんに「トシが40歳になった時に書いてみたいものがある」って言われたこと。

矢島 NHKの大河ドラマみたいなのを書いてみたいんです。なかなかトシみたいな役者とは出会えないですからね。〉(『週刊テレビ番組』1993年10月15日号)

 田原は40歳の時、2時間ドラマ『教師びんびん物語スペシャル2』(フジテレビ系)に主演して以来、役者の仕事はしていない。

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