小渕氏にも悩ましい事情がある。
「最後まで出馬をあきらめない」と言い張っている野田聖子氏の推薦人問題だ。竹下派ベテラン議員が胸の内をこう忖度する。
「優子ちゃんは野田を姉貴分と慕っていて、頼まれれば推薦人になるつもりはある。しかし、スキャンダルを抱える野田の出馬は絶望的で、告示日に涙の出馬断念会見をすることになるだろう。それで野田の“総理すごろく”は事実上終わり、かわって優子ちゃんが女性初の総理・総裁候補の最右翼になる。それがわかっているからこそ姉貴分の泣く姿を見たくないんだろう」
小泉家の若君と小渕家の姫君が手を取り合っての“ニュージーランド逃避行”に見えなくもない。
もう一人の麻生派のプリンス、河野外相も9月にはウラジオストックでの東方経済フォーラム、国連総会など外交日程が立て込んでいる。
かつては「自民党の異端児」と呼ばれた河野氏だが、外相に抜擢されてからは持論の「原発廃止論」を封印して安倍外交の後継者に徹し、岸田文雄氏が総裁選出馬辞退の経緯でミソを付けたことで、次の次の総裁選では主流派の「本命候補」になる可能性が出てきた。河野氏にすれば2人と違って今回の総裁選は票集めで首相にアピールするチャンスだが、そんな時の外遊にはどんな狙いがあるのか。