芸能

大河『いだてん』をめぐる宮藤官九郎ならではの仕掛け集

大河『いだてん』にはクドカンならではの仕掛けがいっぱい

 NHK大河ドラマ『いだてん』の脚本は朝ドラ『あまちゃん』(2013年・NHK)をはじめ、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年・TBS系)、『木更津キャッツアイ』(2002年・TBS系)などの人気作を手がけたクドカンこと宮藤官九郎。

 マラソン選手の金栗四三(かなくりしそう)が日本人として初めて五輪に参加した1912年から、新聞記者の田畑政治が東京五輪を成功させた1964年までの東京を描く物語だ。

 1話目から星野源(37才)、松坂桃李(30才)、小泉今日子(52才)、ビートたけし(71才)などの超豪華キャストが登場。「1900年代と1960年代を行き来する構成がおもしろい!」と1話を試写した記者からの評判は高い。

 主人公の金栗を演じる中村勘九郎(37才)は1話についてこう話す。

「豪華な役者さんが怒涛のように次から次へと出てくる。ものすごい一年が始まるぞ、と宮藤さんが視聴者に叩きつけた挑戦状のような感じです」

 今作は前後編に分かれ、勘九郎から、田畑を演じる阿部サダヲ(48才)にメインキャストが変わる構成になっている。阿部は「前半チームの作り上げた熱さを引き継いで、またぼくらのチームも盛り上げたい」と意気込んだ。

 では、“チームクドカン”ならではの仕掛けを見ていこう。

◆タイトルデザインは横尾忠則

 ドラマのロゴは、人間の足が車輪のように表現された印象的なものになっている。このロゴやポスターを手掛けたのは、日本を代表するグラフィックデザイナーの横尾忠則(82才)。 今までの作品にも、その時代や出来事に対するメッセージを込めてきた横尾は、今回のポスターを「ひとりの人間の人生を表したもの」と語っている。

◆金栗四三は大阪道頓堀のグリコのモデル

 金栗は、ストックホルム五輪(1912年)のマラソン競技中に消え、現地では「消えた日本人ランナー」と呼ばれていた。実際には、灼熱地獄の中で倒れ、民家で介抱され、そのまま閉会式にも出ずに帰国していたという。その後も金栗は3度にわたって五輪に出場。その姿は、大阪の道頓堀にある「江崎グリコ」の看板のランナーのモデルの1人にもなっている。

 また、1917年には世界初の駅伝「東海道駅伝徒歩競走」を競技として初めて実施。お正月の風物詩「箱根駅伝」を発案し、コースを考えたりメディアと協力するなどして、今の駅伝の原点をつくり、生涯を通じてスポーツの振興に賭けた。

◆中村勘九郎は体型が変わるまでトレーニング

 金栗は、1話の最後で、五輪選手を選ぶ予選会の場面で、足袋を履いて走り、非公式ながら世界新記録を出す。勘九郎はこの役を演じるにあたり、2017年夏頃からマラソンの練習を開始。元陸上競技選手でランニングコーチの金哲彦さんの指導のもと、長距離走のランニングフォームを作っていったという。前述の予選会から五輪に出場するまでの、勘九郎の「走り」の変化にも注目だ。

 また、脚本の宮藤もマラソンにハマっていて、「宮藤さんが家の近所を走っていたら、職務質問されたそうです」と阿部が明かしてくれた。

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