同局の中では、キャラ立ちといえるタイプばかりであるうえ、局アナの恋愛スキャンダルでさえネタにしてしまうサンジャポで、彼女たちは、タレントや文化人たち相手に上手に振る舞っていたという特徴もある。中でも、オリエンタルラジオの藤森慎吾と交際していた田中みな実アナを中田敦彦と福田萌の結婚会見場に行かせ、質問させたのは、名場面のひとつだった。そして藤森との破局後、田中みな実をいち早くゲストに呼んだのも”サンジャポ“だった。
 
 そんな“サンジャポ女子アナ”を始め、進藤晶子アナ、小島慶子アナ、久保田智子アナ、桝田絵理奈アナ、そして小林麻耶さんらの名前を挙げ、TBSは働かせ過ぎなのではないか、だから女子アナが続々退社してしまうのではないかという見方があるようだ。
 
 そうだろうか。確かに、体を張るバラエティー番組から料理番組、番宣番組に至るまで一人でこなしていた小林麻耶さんのように仕事が集中していたケースはあったし、結婚や出産を機に退社を決めた女子アナも少なくない。これは一般の女性にもあてはまるのだけれど、どこから見てもバリバリのキャリアウーマンが、結婚や出産をして、「こっち(家)のほうが自分には合っているかも」とキャリアをストップするケースは実は少なくないのである。吉田アナはまさにそんな一例だろう。

 私が思うTBSの女子アナ連続退社の理由は、同局が在京局のなかで、もっとも女子アナ活躍の場が少ない局だということなのである。

 例えば朝ワイドの『あさチャン!』は、日テレ出身の夏目三久をメインに据えて久しい。続く『ビビット』でメインの女性は真矢ミキだ。『ひるおび!』は江藤愛アナが頑張っているが、『Nスタ』はタレントのホラン千秋。『NEWS23』はOGではあるけれど、雨宮塔子がメインである。そして、『報道特集』は、すったもんだの末、結局、NHK出身の膳場貴子がメインに座っている。

「ウチの局は、他局を辞めた女子アナを真っ先に起用する」…、かつてTBSの男子アナがこうボヤいていたのを聞いたことがあるし、同局の大きな番組を長年任されている他局出身のフリーアナは「TBSの人って、自分の局のアナウンサーを信用していないように感じる」とも言っていた。

 在京の民放局で唯一、テレビとラジオの兼営局であるTBSは、実はもっとも女子アナが長く働ける環境が整っていると長年思われてきた。顔を出さず、声で勝負ができるラジオは、年配の女性アナウンサーには居心地がいいハズ。NHKのベテラン女性アナウンサーが晩年、深夜ラジオでリスナーから高い支持を得るという実例もある。

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