前出・北尾氏が語る。
「1日中裁判所にいて、同じ裁判長の法廷を見るのも面白い。裁判官特有のクセがあったり、事件によって“真剣度”が違わないかと観察もできます」
●傍聴人席を見渡すと……
裁判には、被告人や被害者の家族や友人が傍聴に来ていることがある。
「私はあえて傍聴席の最後列に座り、どんな人が来ているのか観察し、被告人との関係性に想像をめぐらせたりします。被告人が容疑を否認したり、共犯者がいたりする事件だと捜査関係者がいる場合もある」(高橋氏)
被告人が暴力団関係者の場合、“その筋の人”が傍聴席にいることもあるが、「彼らは意外にマナーがいい」(高橋氏)という。
公判の最後には、次回公判の日程が発表される。続きが気になれば、次の公判も傍聴してもいい。『裁判中毒』の著者で傍聴歴36年のジャーナリスト・今井亮一氏はこう語る。
「裁判が終わると法廷を出ますが、すぐに感想を話してはいけません。事件の被害者や家族が傍聴に来ていることもあるので、彼らを傷つけたり怒らせたりしてしまう可能性があるんです」