芸能

萩原健一、「傷天」「太陽」以外でも見せた凄みとこだわり

亡くなる前日、救急車がマンションに……

急死した萩原健一さん

 多くの人に驚きと悲しみが広がっている萩原健一さんの訃報。さまざまなニュースで彼の人生が特集されているが、これまで彼を何度も取材してきたコラムニストのペリー荻野さんはショーケンの“もう1つのキャリア”について綴る。

 * * *
 萩原健一さんが亡くなった。68歳。早すぎる旅立ちは衝撃的だったし、本当に残念である。

 波乱も多かった生涯については、ワイドショーでもいろいろと取り上げられたが、そのほとんどは、16歳でのデビュー後、俳優として注目された『太陽にほえろ!』のマカロニ刑事や『傷だらけの天使』についてと、結婚や離婚、さらには事件・事故関係などについてだった。しかし、私個人は、かつてインタビューした印象や実績と、訃報とともに報じられた「萩原健一」のキャリアはかなり違うと感じている。

 萩原さんは、おそらく、『太陽にほえろ!』や『傷だらけの天使』については、「聞かれ飽きていた」のだと思う。確かに、負傷した競輪選手の再生の物語である『祭りばやしが聞こえる』(1977年)、厄年の課長が栄転したはずなのにケガやいろいろなトラブルに巻き込まれる『課長サンの厄年』(1993年)、 妻を亡くした腕のいい医師役だった『外科医柊又三郎』(1995年)、など、ドラマだけでも、いい作品がたくさんある。中でもコミカルな場面が多かった「課長サン」はお気に入りの作品だったようで、めったに映らない小道具の鉛筆にもわざわざ課長の会社の名前を入れたスタッフのこだわりと熱意に感激したと、とてもいい笑顔だったことを覚えている。

 どの作品に対してもこだわりはとても強く、監督とのつながりも深い。私は『傷だらけの天使』の演出をした神代辰巳、深作欣二など名監督たちに参加要請したのは、萩原さんだったと聞いたこともある。一方で、「どうしても君で撮りたい」と名匠の作品に出たものの、うまくいかず、苦痛だったという話も聞いた。多くの監督が「撮りたい」男だったのだ。

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