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2019.06.12 11:00  週刊ポスト

天覧試合60年の証言、長嶋のHRに隠れた広岡&藤田の重要局面

 当時のプロ野球は19時開始、20時45分頃ゲームセットの約1時間45分が一般的だった。ところが天覧試合は約2時間10分と、当時としてはかなり長い試合となる。実は天皇、皇后が観戦できるのは21時15分までと決められていたため、延長突入なら途中退席となる可能性があった。しかし前述の通り、試合は長嶋のサヨナラホームランで劇的フィナーレ。タイムリミット3分前、21時12分のことだった。

「乱打戦となり、かえって両陛下には野球の醍醐味を味わっていただくのに相応しい試合内容になったのかもしれません。長嶋の劇的なサヨナラホームランも、乱打戦で試合時間が延びたことで起こった想定外の出来事でした。両陛下の退席時間はグラウンドには伝えられていません。もちろん長嶋も知らなかったはずです。あそこで打てたのは、スーパースター・長嶋ならではの演出でした」(小山氏)

 一方、この試合にはあまり語られていない重要なポイントがあると語るのは、巨人のショートを守っていた広岡達朗氏だ。

「マスコミは長嶋のホームランのことばかり書くが、あの試合のポイントは8回、絶体絶命のピンチでランナーを刺した私と藤田のプレー。あれがなければ長嶋のサヨナラホームランもなかったし、試合にも負けていましたよ」

 8回表、4対4の場面で三宅秀史と藤本勝巳が連続四球。大津淳の送りバントで1死二塁、三塁となった。

「次打者の横山光次がスクイズするのはわかっていた。阪神ファンが興奮して禁止されていた鳴り物の応援を再開するほど押せ押せムードでしたが、そんな中でも私は二塁走者の藤本に一瞬のスキがあったのを見逃さなかった。私は藤田にアイコンタクトでピックオフプレーのサインを送りながらベースに入り、藤田が素早く牽制してアウトにした。そして横山をショートライナーに打ち取りピンチを切り抜けた。あの試合の勝利は、すべてこのプレーがあったからこそなのです」(広岡氏)

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