「原監督は1次政権では斉藤宜之、2次政権では松本哲也、亀井義行など積極的に若手を抜擢し、使いながら育ててきた実績もある。ベテランや移籍組ばかりでは黄金時代を作れないと、経験上わかっています。現役晩年、FA組の落合博満や広沢克己、外国人のジャック・ハウエルにポジションを奪われ、引退に追い込まれましたから」
移籍組がチームに足りない所を埋め、活躍することで若手にチャンスが生まれている。今年の巨人には、『死に駒』が少ない形になっているという。
「丸や炭谷が既存の選手に良い刺激を与えているし、彼らが期待に応える働きをしてくれるので、若手に出場機会を与えられる。彼らがいなかったら、原監督も阿部をスタメンで起用せざるを得なかったかもしれません。
2次政権の2008年、ヤクルトからラミレス、日本ハムから小笠原道大を獲得しての優勝で批判も浴びたが、2人がいたからこそ、19歳の坂本勇人をスタメンで使い続けることができた。あの時のラミレスや小笠原の役割を丸が引き受けている。今年の交流戦も勝てていたから、大城を辛抱強く5番に置けた。もちろん、高橋由伸・前監督が岡本和真を辛抱強く4番で起用し、ある程度計算できる選手に育てたことも見逃せません」
勝利と育成を両立させている原監督。5年ぶりのリーグ優勝を掴めるか。