トラブルが多発する理由の一つを、歌舞伎町に集まってくるホストたちに「向上心」がなくなったことだと渉さんは分析する。

「10年前まで、歌舞伎町は”伝説が作れる街”でした。自分も“売り上げでも、指名数でも先輩を抜いて、俺が歴史を塗り替えるんや!”と本気で思っていたし、周りも同じようにぎらぎらした野心を持ったホストが多かった。だけど今はホストも格差社会。売れている人は、10年間変わらず売れ続けているのですが、そうでないと鳴かず飛ばずのまま。『根性』や『野心』を武器に女性を魅了するようなホストが減り、女性の弱みに付け込むような、心が弱いホストが増えた気がします」 
 
 野心や向上心を持った“昔ながら”のホストが減った代わりに、多種多様な個性を持つホストが増えている。現在、歌舞伎町には200店舗以上のホストクラブがあり、5000人以上のホストが働いている。紹介サイトをのぞいてみると、各店舗ごとに、イケメンだけではなく、お笑い系、スポーツ系、かわいい系、中には「なぜこのルックスで!?」というようなホストなど、多彩なメンツが顔を並べる。

「まず美しさやセクシーさが重視されるキャバクラの女の子とは違い、ホストは必ずしもイケメンである必要がない。芸人のような雰囲気の面白いホストに笑わされたい女性もいるし、今風のイケメンよりも素朴な外見のホストに癒やされるという女性もいる。どんなホストでも気に入ってくれるお客さんが見つかる可能性がある歌舞伎町は、いまや街全体が”マッチングアプリ”のようになっているのです」(渉さん)

◇変化する客層。SNSの影響でホストが身近な存在に

 変化したのはホストだけではない。客層もがらりと変わった。

「昔は事業で成功した実業家の女性など”何か持っている”人が多かったのですが、今は普通の子が多い。同時に低年齢化もしていて、20代のお客さんも少なくありません」(流依さん)
 
 確かに、深夜の歌舞伎町を歩いてみると、ホストクラブやバーが建ち並ぶ通称“ホスト通り”と呼ばれるエリアにはOL風や女子大生風の若い女性の姿が目立った。彼女たちはなぜ、ホストクラブに通うのか。

「ホストたちがツイッターやYouTubeなどで、自分のキャラクターを発信するようになったことが大きい。SNSの普及によって、これまではある意味“別世界の住人”だったホストが若い女性たちにとって身近な存在となったのでしょう。有名なYouTuberに会いに行くというくらいの感覚で、格段に敷居は低くなっています」(渉さん)

◇“ギャラ飲み”で資金を調達する“普通の女の子”たち

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン