58歳になった(撮影/佐藤敏和)

 田原のダンスは軽くこなしているように見えて、難易度が高い。21歳時のヒット曲『原宿キッス』のサビでは、右膝を曲げながら左足を開脚した後、すぐ立ち上がる。57歳だった昨年のツアーでも毎回成功させていたが、10月28日の中野公演では起き上がれず、失敗に終わった。すると、首を捻りながらもう一度挑戦して雪辱を果たした。

「できなかったからやり直したんだよ。自分にムカついたんだよ!」

 年齢を考えれば無理しなくてもいいのではと問うと、「無理じゃないよ」と呟く。それならやってくださいと言うと、「キツいよ」と笑った。

「俺って、歌って踊るジャニーズ生粋の男じゃない? お客さんもあの頃のテンポで、当時の振付のまま見たいと思っている。ジャニーさんも、きっと『どんな状況になっても田原俊彦は頑張り続けるだろう』と信じてくれている。僕はそれを裏切れないよ」

“生涯現役”の男は自らの使命を果たすため、ステージで踊り続ける。

会見は和やかなムードで行われた(撮影/内海裕之)

●たはら・としひこ/1961年2月28日生まれ、山梨県出身。1980年、『ハッとして!Good』で日本レコード大賞最優秀新人賞獲得。1988年、ドラマ『教師びんびん物語』の主題歌『抱きしめてTONIGHT』が『ザ・ベストテン』の年間ランキング1位に輝く。過去のテレビ出演映像などで綴るDVD『PHOENIX VISION~TOSHIHIKO TAHARA performance history~』が発売中。現在、11月8日の熊本市民会館まで全国ツアー中。一昨年はスケボー、昨年はローラースケートで登場する演出も。曲選びに迷うと、親友のJリーガー・三浦知良に助言を受けることも。

◆取材・文/岡野誠(おかの・まこと)/1978年生まれ。昨年、24年間追い続けて書き上げた『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)を上梓。

◆撮影/内海裕之、佐藤敏和

※週刊ポスト2019年8月9日号

関連記事

トピックス

女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
〈一緒に働いている男性スタッフは彼氏?〉下北沢の古着店社長・あいりさん(20)が明かした『ザ・ノンフィクション』の“困った反響”《SNSのルックス売りは「なんか嫌」》
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
《“手術中に亡くなるかも”から10年》79歳になった大木凡人さん 映画にも悪役で出演「求められるのは嬉しいこと」芸歴50年超の現役司会者の現在
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン