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山口組抗争、共存関係の警察としては分裂したままの方がいい

指定暴力団山口組分裂抗争についての緊急会議。2016年(写真/時事通信フォト)

 六代目山口組から神戸山口組が分裂して4年、その間に神戸山口組から任侠山口組が再分裂し、いまや3つの山口組が並存している。日本最大の暴力団、山口組の分裂は、ヤクザ社会にどのような変化をもたらしたのか。溝口敦氏(ジャーナリスト)と鈴木智彦氏(フリーライター)のヤクザ取材エキスパート2人が読み解く。

溝口:山口組が分裂したことによって、京都の会津小鉄会や関東の松葉会のように他団体も分裂してしまいましたよね。

鈴木:いずれももともと後見に六代目山口組を置いていて、その威光が崩れたことでガタガタして分裂してしまったわけですよね。

溝口:山口組が弱体化していくということは、ヤクザ全体が地盤沈下していくということです。山口組が日本の暴力団の代表なんですよ。中国のマフィアに聞いても、一番名が通ってるのは山口組ですし。

鈴木:ヤクザの2人に1人は山口組。頭抜けすぎた一強ですからね。それゆえに、山口組が割れたときに仲裁できる団体がなくなってしまったということでもある。

溝口:戦前は、警察署の署長が仲裁に入ってようやくまとまったという話もあるんですよ。今、警察が暴力団の仲裁に動くなんてありえませんけどね。

鈴木:警察は、暴対法や暴排条例で暴力団が弱体化してきたから、最近、「四課(暴力団を取り締まる組織犯罪対策部のこと)とか要らないんじゃないか」と言われている。弱体化しているのは警察のおかげではあるんですが、たまには抗争をしてくれないと存在価値がなくなってしまうし、予算もつかないしで困るんですよね。だから、警察としては分裂したままのほうが都合がいい。

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