昭和63年5月26日、『抱きしめてTONIGHT』で田原俊彦が2位にランクインすると、ドラマ『教師びんびん物語』(フジテレビ系)で共演中の野村宏伸、五十嵐淳子がゲストで登場。他局の大々的な宣伝になった後、イントロが流れると、松下賢次アナが平然と曲紹介を始めた。
「野村宏伸さんが初めて田原さんに会った時、『スケベそうな人』と思ったが、一緒に仕事をしていくと『やっぱりスケベな人だった』とおっしゃっていました。今月は5位、4位、1位、2位で、5月月間ベストテン第3位。田原俊彦さん、『抱きしめてTONIGHT』」
視聴者は、なぜ野村が田原を『スケベそうな人』と思ったかわからないまま、『やっぱりスケベな人だった』という情報を畳み掛けられる。一体、どう受け止めればいいのか。これが、大川栄策に対する第一印象ならわかる。お色気ドッキリに何度も引っ掛かる大川栄策に、世の大半は『スケベそうな人』という第一印象を持っていたからだ(失礼)。
もし『ザ・ベストテン』が地上波で再放送されたら、SNS上でこれらの曲紹介に一斉に突っ込みが入り、大いに盛り上がるだろう。
今、日本はかつてない危機に晒され、外出自粛が要請されている。肖像権などの問題があるのは重々理解しているが、各事務所や歌手がオンエアを承諾してくれたら、40代以上の“ステイホーム”に大いに効果があるかもしれない。
◆文/岡野誠:ライター。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)には『ザ・ベストテン』秘話、初公開の年別ランキングデータも掲載。4月30日19時から元CHA-CHA木野正人とネット配信トークイベント『1980年代 ジャニーズ名曲ヒストリー ~少年隊・東山紀之から貰ったシャケ・イクラ弁当~』を開催。詳細は下北沢本屋B&BのHPにて。