「同じ時代に活躍した岡田彰布さんが引退後、オリックスや阪神の2軍監督やコーチを務め、一度も現場から離れずに阪神の監督になったのとは対照的です。岡田さんは評論家をするよりも、現場にいたほうが指導者として勉強になるという持論です。コーチとして指導者経験を積む、評論家として外から野球を見るという2つの選択は、どちらが正しいかではなく、どちらが自分に合っているかなんでしょう。考え方や取り組み方の問題だと思います。ただ、最近の傾向を見れば、なるべく現場からは離れず、コーチのオファーがきたら素直に受け入れたほうが、いずれ監督になれる可能性は高そうですね」
ケースは減っているものの、コーチを経験せずに、解説者から監督になって結果を残している人物も多数いる。
「現在のソフトバンク工藤監督や日本ハム栗山監督は、そのパターンで日本一になっています。星野仙一さんも選手兼任コーチはありましたが、専任では務めていない。しかし、指揮官2年目に優勝をして中日、阪神、楽天の3球団をリーグ制覇に導いた。東尾修さんもコーチ経験はないですが、西武で1997年からパ・リーグ連覇を果たしている。落合博満さんもコーチをせずに監督になりましたが、2000年代に中日の黄金時代を築いています」
引退後、一度もユニフォームを着ていない大物OBが監督を務める姿を見たいファンもいる。現在の12球団監督の結果次第で、時代の流れが再び変わることもありそうだ。