とはいえ、このまま本場所中止が続けば、1場所5億円とされるNHKの放映権収入もなくなる。
「そこで捻り出されたのが、7月の名古屋場所の“東京開催”ではないか。もちろん、1000人の大所帯が名古屋に移動することでの感染拡大リスクを防ぐという理由はあるのだろうが、それだけではない。状況次第で時期をずらしての開催をギリギリまで探るといった対応は、協会所有の国技館のほうが、融通が利く。
仮に7月にかなり終息に向かっているようなら、1マス1人の限定で太い常連客を入れるといった“柔軟な対応”も国技館ならやりやすい。20軒ある茶屋も喜ぶ。一方の名古屋は2009年に暴力団の桟敷観戦問題が発覚して茶屋の取り潰しなどがあったため、現在は茶屋が3軒だけ。補償問題を含めた交渉がまとまりやすいという側面もあっただろう」(ベテラン記者)
※週刊ポスト2020年5月22・29日号