「豊川悦司さん(58才)と常盤貴子さん(48才)が、あまりに美しい。当時のトヨエツといえば“美声”が魅力の1つなのに、この作品では耳が聞こえない役なので、手話を使っている点も斬新です」(田幸さん)
愛を深める手段が、メールやLINEではなく、当時12万円もしたFAXというのには時代を感じるが、それもリアルタイム視聴者にとっては懐かしめるポイント。再放送に先がけて、豊川と常盤が“リモート同窓会”を開催したことも、懐かしさに拍車をかけた。
秘策が功を奏したドラマもある。『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系、2016年、再放送は火曜22時)は、再放送でありながら既視感を感じさせない作りになっていた。
「未公開カットをちりばめた再編集になっていて、初見の視聴者はもちろん、リアルタイムで見ていた人も、“未公開カット探し”を楽しめるようになっていました。エンディングの恋ダンスも、リモートで撮り下ろされていて、新垣結衣さん(32才)も星野源さん(39才)も、役柄とは違う“素”に近い表情で踊っていたのも印象的でした」(木村さん)
6月2日までに3話放送され、視聴率はすべて2桁台をキープしている。
リアルタイムでも好評だったドラマが、さらに評価を上げた例も。亀梨和也(34才)主演の『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系、2005年、再放送は土曜22時)だ。
「亀梨さん演じる男子高校生の修二は、誰にでも優しいけれど誰のことも好きではなくて、彼に振り回される恋人役の戸田恵梨香さん(31才)に感情移入する女性が多いんです。このドラマで描かれている“思春期独特の痛み”は、そのど真ん中にいるときは直視できなくても、大人になったいまならしっかりと噛み締められる。社会問題に通じるエピソードも豊富で、“いまの若い人に見てほしい”という感想も聞かれます。野ブタと呼ばれる女子高生を演じ、いまは引退した堀北真希さん(31才)の姿が見られるのもうれしいですね」(田幸さん)
15年前の作品だが「いま見ても充分に面白く、学園ドラマの“古典”になり得る作品だと思います」と、ドラマ評論家の成馬零一さんも太鼓判を押す。
※女性セブン2020年6月25日号