さらには、現実の事件や事故が過去の人気作品を闇に葬ることもある。
『ギフト』(フジテレビ系/1997年)は、木村拓哉(47才)が記憶障害を持つ男を演じたサスペンスドラマ。前年に『ロングバケーション』(フジテレビ系/1996年)に主演していた木村が新境地に挑んだ作品で、木村をサポートする犯罪マニア役を忌野清志郎さん(享年58)が演じ、緒形拳さん(享年71)や桃井かおり(69才)がゲスト出演するなど豪華キャストも話題を呼んでいた。
「放送の翌年に、栃木県で男子中学生がバタフライナイフで女性教諭を刺殺する事件が起こったのですが、その少年が『ギフト』に影響を受けたと供述しました。青少年に悪影響を及ぼすとして、再放送できなくなってしまいました」(碓井さん)
草なぎ剛(45才)が主演し「おれの胃袋は宇宙だ!」というせりふが印象的な『フードファイト』(日本テレビ系/2000年)は、文字通り、大食いや早食いを競技とするフードファイトをテーマにしたドラマ。ストーリーもさることながら、料理がどれもおいしそうで、元祖“飯テロ”ドラマとも評されている。スペシャル版が作られるほど人気だったが、放送から2年後に給食の早食い競争をした中学生が死亡する事故が起きたため、早食い番組と並んで封印されることになった。
高視聴率を残した名作ドラマでも、さまざまな理由で二度と放送されない――。見られないとなると、余計に見たくなってしまう。
※女性セブン2020年7月9日号