ただ松下サンは、そこからは高すぎる身長がネックになっているような……。ファッション誌でハイブランドを誰よりも美しく着こなしたり、ピアニストとして音楽祭にお出になったり、『日経スペシャル ガイアの夜明け』(テレビ東京系)で案内人をされたりする方がお似合いと思える、希有な存在の朝ドラ女優さんです。
長身コンビといえば、2013年度後期の『ごちそうさん』の杏サン(36才)と東出昌大サン(34才)も思い出されますよね。撮影のため大阪のホテルに寝泊まりし、作品内で使った小道具や食材などの“消えモノ”を持ち帰って自炊していたという杏サンは、東出サンに演技指導をしていたとの報道もありました。撮休になっていた2014年の年始、『女性セブン』がスクープしたのは、揃ってホームセンターで買い物するツーショット。それがあんなことになるなんて。朝ドラファンをガッカリさせた東出サンの罪は重いです。
でも、杏サンの好感度は変わらず、お子さん三人のママとしてたくましく生きる、カッコよくて知的な女性という印象です。母子揃ってのフランス移住のウワサも絶えませんが、私は杏サンの輝かしい“第二ステージ”に心から期待し、応援したいと思います。
朝ドラならではのオーディション
その『ごちそうさん』には、「焼氷有りマスの唄」で、高い歌唱力が認められ、一気に知名度を上げ、2016年度前期の『とと姉ちゃん』でヒロインになった高畑充希サン(30才)や『とと姉ちゃん』→2020年度後期の『おちょやん』の杉咲花サン(24才)のように、脇役女優さんたちにも注目が集まっているところです。
その陰には、朝ドラならではの壮絶なオーディションの存在があるといわれます。何千人もの女優さんがヒロインを夢見て参加するオーディションでは、「ヒロインは難しいけれど、友人役や妹役で」というふうに、その場に残るかたたちがいるのです。
代表的なのは、2015年度後期『あさが来た』→2019年度前期『なつぞら』→2021年度前期『おかえりモネ』の清原果耶サン(20才)でしょうか。しかも、そのステップアップの途中で主演したNHK「ドラマ10」枠の『透明なゆりかご』まで話題になったのだから素晴らしいです。
「ドラマ10」といえば、2013年度前期の『あまちゃん』で、「入間しおり」として埼玉をアピールした松岡茉優サン(27才)が桐谷健太サン(42才)とW主演した『水族館ガール』も忘れるワケにはいきません。松岡サンは木曜時代劇『銀二貫』でも好演されました。黒島サンほどではありませんが、清原サン、松岡サンのお二人も、朝ドラきっかけでNHKに育てられた女優さんの代表といえるでしょう。
そして、2011年度前期『おひさま』→2014年度前期『花子とアン』→2015年度前期『まれ』の土屋太鳳サン(27才)。彼女がオーディションで「チャンスをください!」と懇願して自身をアピールしたのは有名なエピソード。実は『花子とアン』の撮影が22時30分まで続いていて、オーディションは23時30分からだったそうです。