2人の子供もそれぞれの転機を迎えた
冒頭にもあるように、團十郎の記憶にもまた麻央さんの存在はありありと残っている。にもかかわらず、麻央さんの七回忌を前にして、なぜ團十郎は売却を決断したのか。
「理由は成田屋の“借金問題”にあると聞いています。先代の十二代目團十郎さんは、妻・希実子さんの実父の連帯保証人だったことで、事業の失敗を受けて19億円もの借金を背負いました。
團十郎は、それを少しずつ整理してきた。襲名を迎え、團十郎として新しい門出をしたいという思いもあったのでしょう。借金などは自分の代で整理して、ぼたんと新之助という次世代に苦労をさせたくないという強い思いが売却という形になったのだと思います」(別の芸能関係者)
團十郎の所属事務所に尋ねると、「物件売却は進んでおりますが、詳細はお答えできません。プライベートなことなので見守っていただければ幸いです」とのことだった。
ぼたんは4月から芸能事務所に所属、新之助も今年3月の誕生日に10才になった記念にブログを開設するなど、それぞれの転機を迎え、自分の足で階段を上り始めた。
「ぼたんさんは、日本舞踊への手ごたえはもちろん、女優やアナウンサー、歌の仕事にも、夢を持っています。團十郎は以前から、“歌手でも、女優でも、アナウンサーでも、なりたい道を行き、将来世界に羽ばたいてほしい”と言っていましたから、彼女の気持ちを尊重していると思います」(別の歌舞伎関係者)
一方の新之助は、始めたばかりのブログも自らの言葉で綴っているところが「かわいい」と大人気だ。
「歌舞伎が好きで稽古に熱心なところに、團十郎はとても感心している。『将来の團十郎』である新之助くんに厳しく稽古をつけています」(前出・別の歌舞伎関係者)
思い出の家が他人の手に渡ったとしても、家族3人で迎えた再出発を、麻央さんは笑顔で見守っているのだろう。
※女性セブン2023年5月25日号