国内

【9割賛成の調査結果も】女性天皇についての議論は膠着状態 結婚に関して身動きが取れない愛子さまが卒論に選んだ「生涯未婚の内親王」

「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま

女性天皇についての議論の進捗が愛子さまの今後にも影響する可能性(写真は「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま。時事通信フォト)

 愛子さまは今年の歌会始の儀で、平安時代の和歌が千年の時を経て受け継がれ、ご自身の心に響くことへの感銘を詠まれた。天皇家の長子で女性皇族という特殊なお立場にある愛子さまは、同じような立場にあった平安時代の皇族や貴族の作品に触れ、喜怒哀楽を感じられることで、勇気づけられているのかもしれない──。

 5月11日、愛子さまは皇居のほど近くにある国立公文書館(東京・千代田区)で、春の特別展「夢みる光源氏 -公文書館で平安文学ナナメ読み!-」をご視察された。この日は愛子さまにとって初の単独公務だった。もともと愛子さまは大学で平安時代の文学を熱心に研究された“専門家”でもある。愛子さまは担当者の説明を聞き、時に質問をされながら、展示を回られた。細部までご覧になるために、眼鏡を取り出される場面もあったという。

 皇室ジャーナリストは、初の単独公務に『源氏物語』に関連するものを選ばれた背景に、悠仁さまへの配慮もあったのではないかと分析する。

「『源氏物語』などに関する分野は、愛子さまのライフワーク同然ですから、公務でありながら、社会貢献とはニュアンスの異なる“研究の延長線上”でもあるという見せ方ができます。人気が高まるばかりのいま、愛子さまは、将来の天皇である悠仁さまに対して、細やかな気配りをせざるを得ない状況にあるのです」(皇室ジャーナリスト)

 皇族数の確保と安定的な皇位継承という皇室の喫緊の課題に関して、これまで遅々として議論は進まなかったが、一転して、昨年秋頃から具体的な案が検討されてきた。ひとつは、皇族数の確保の方策として「女性皇族は結婚後も皇族の身分を保持する」という案である。現行の皇室典範に則れば、女性皇族は結婚によって皇室を離れることとなるので、この案が正式決定すれば大きな転換点となる。

 4月末には、新たな調査結果が発表された。共同通信社がまとめた皇室に関する全国郵送世論調査によれば、女性天皇を認めることに90%が賛同したという。

「以前にも女性天皇を認めるという意見はありましたが、調査では70~80%ほどにとどまっていました。90%は過去最高値です。回答した国民が愛子さまの存在を念頭に置いていることは自明です。今後、公務やお出ましを通して愛子さまの存在が国民の目に触れれば触れるほど、『愛子天皇』を望む声は大きくなるばかりでしょう」(皇室記者)

 しかし、2022年に国会に提出された政府の有識者会議の最終報告書では、皇位継承において、悠仁さままでの流れは「ゆるがせにしてはならない」とされた。

「愛子さまのお立場はかつてないほど複雑な状況にあります。結婚によって皇室を離れる可能性がありながら、議論の行く末によっては、生涯皇族の可能性もある。それどころか、政府が国民の声に応えようとすれば、即位の可能性も出てくるのです」(前出・皇室ジャーナリスト)

 仮に即位されるとなれば、愛子さまは現在のような形で日赤での仕事に没頭されたり、ご友人とつきあわれたりすることは難しくなるだろう。結婚のハードルも格段に高くなるに違いない。そうでなくても、議論が俎上に載っている以上、愛子さまは結婚に関して身動きを取ることができないだろう。

「女性皇族の結婚後についての議論は、愛子さまが皇室に残られることを前提に進んでいるといっていい。愛子さまも状況は理解されているでしょうから、唐突にご結婚されることはないでしょう。しかし、どのような落としどころで、いつまでに結論が出るのかは、依然として不透明です。このまま何年も膠着状態が続けば、愛子さまはいつまでも未婚の皇族でいることを強いられることになってしまいます」(宮内庁関係者)

 自由に恋愛することもままならないなかで、愛子さまが「学業の集大成」として選ばれた卒業論文のテーマは、「式子内親王とその和歌の研究」だった。

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
【追悼】釜本邦茂さんが語っていた“母への感謝” 「陸上の五輪候補選手だった母がサッカーを続けさせてくれた」
週刊ポスト
有田哲平がMCを務める『世界で一番怖い答え』(番組公式HPより)
《昭和には“夏の風物詩”》令和の今、テレビで“怖い話”が再燃する背景 ネットの怪談ブームが追い風か 
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト