これまでもモテモテの愛之助には、切れ目なく女性の存在があり、その都度、ワイドショーの直撃に対し足を止めたり、クルマの窓を開けたりして応じる彼のことを悪く言っていた芸能関係者はいない。
が、恋人として藤原紀香の名前が出てきてからは少し様子が違ってきた。リポーターからの質問は「紀香さんと、お話はされましたか?」「紀香さんは何ておっしゃってますか?」「紀香さんは怒ってませんか?」と主語はすべて「紀香」に。
愛之助の女性問題以外でも、週刊誌では「梨園の妻として紀香はやっていけるのか」「梨園の妻デビューの紀香にこれだけの壁」といった記事に数字があり、それらを取り上げたワイドショーの毎分グラフには大きな山ができたものである。
いつからだろう。藤原紀香の言動は女性週刊誌やネットで取りざたされ、バッシングの対象となるようになった。
“その後”の反応を見越していろいろやらかす、かつての松田聖子や浜崎あゆみと藤原紀香が異なるのは、紀香の場合、心から良かれと思って発信していることがバッシングされてしまうという点だろう。
私は彼女がモデルからタレント→女優へと転身をはかろうとしていたとき、度々仕事をさせてもらったが、彼女に対しては、番組の特性を理解し、サービスコメントをたくさんしてくれる「いい人」という印象しかないのである。
もっとも覚えているのは、「お給料が少なくなっちゃってエアコンも買えないんです」という発言。モデルとしてのギャラのほうが格段に多くて、ステップアップのために転身したのに、お給料が減った…という話だった。まだ彼女が20代半ばの頃のことで、同年代の女性視聴者は彼女に親近感をもったと思う。
その番組中、某海外ブランドのCDケース(時代ですね…)を紹介した際、紀香は「欲しいです、買いたいです」と前のめりになった。番組終了後、「欲しいんだったら、(安く買えるかどうか)メーカーの担当者に聞きますよ」と申し出たスタッフに対し、「ああいうふうに言ったほうが番組が盛り上がると思って」と笑顔でテレビ局を後にした紀香に「あの子はテレビをよくわかっている」とスタッフ一同、絶賛したという記憶もある。
一方、自分が本当に良いと思ったモノは、惜しげもなく紹介するのが藤原紀香。それらはベストセラー『紀香バディ!』(講談社刊)にくわしく掲載されているが、化粧品会社のキャラクターを長年務めている彼女にとって、それはスレスレの行為だったと思われる。