生活保護の約4兆円という額でもすごいことですが、そのうち医療費は1.6兆円です。生活保護の方は、医療費は基本的にタダですから。タダならちょっとしたことでも行く、っていうのは人間として当たり前です。自己負担が一部……例えば5%でも1日500円でもの自己負担があれば、あんなに向精神薬をもらうかな、と。ですが、今の条文の読み方だとなかなか自己負担していただくのは難しいでしょうね。あとは今、うつ病が唾液や血液等で診断できるようになる技術が確立しつつあるそうなので、医者における「うつ」診断においてもこのテストをクリアすべきでしょう。
【ハローワークと社会福祉事務所を隣接させるとどうなるか】
ハローワークの窓口を社会福祉事務所に隣接したところに入れるってことをはじめた地方自治体がありまして、名古屋市なんかではそれをやったら一年間で1500人は就職したと。このことをきっかけに地方自治体がものすごく関心を寄せてきています。この制度の現場は「市町村」なんですよ。
条例を作った市もあります。兵庫県小野市の「市福祉給付制度適正化条例」と言って、この小野市は不正受給が平均よりも少ない市です。例えば受給日にどう考えてもギャンブルに行ってるとか……そういう人については通報をお願いする条例なのですが、16人の議員のうち15人が賛成し、反対は1名だったと聞いています。
だから日本も捨てたものじゃないっていうか、やっぱりそういう目線が自分の地域を守るために必要な形だって私は思うんですよ。だって、どこの市もやりくりはきつくて、納税者たち住民に更なるご負担をお願いする場合もある。そういう中でそれ(不正受給)がほんのちょっとなら許されるだろうっていう発想は違うでしょう?
私たちは「条例を作ってくれ」って頼んだこともないですよ。だけどそうやってどんどんどんどん湧き上がってるっていうことは、地方でみんなが草の根で自分たちの街を支えている時に、そういうフリーライダーしている人がいるんじゃないの? っていう疑問が起こっているということだと思うんですよ。
これは民主主義の根っこを揺るがすことです。私は自民党の中でも地方の応援にもっともたくさん行っている議員ですが、この話はどこに行っても関心が高いです。こういったことが容認されるなら子どもたちに学校で道徳を問えないんじゃないかと思いますね。