芸能

『べっぴんさん』芳根京子は「毎日見てもくどくない」

番組公式HPより

 高視聴率を記録しながら賛否両論だった前作と比較しても、朝ドラ新作の評判は悪くないといえるのではないか。ヒロインのキャラクターは対照的、演出の巧みさが光る。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 NHKの朝ドラ『べっぴんさん』が始まって約1か月。視聴率20%台割れと報じられる一方で、録画などによるタイムシフト視聴率は6%超と「圧倒的に高い」ことも判明。

「妙な関西弁に違和感」「主人公が少女からあっという間に結婚、子持ちになる速度感についていけない」といった意見も聞かれましたが、おおむね好評の中でのすべり出しと言えるでしょう。

 朝ドラが、他のドラマと決定的に違う点。それは月曜~土曜の毎日、半年という実に長い時間、続く点にこそあります。では、それを踏まえて、今後5か月おつきあいする『べっぴんさん』の「見どころ」は? 3点あげてみたいと思います。

●その1 芳根京子さんの透明感と変化への期待

 主人公・坂東すみれを演じる芳根京子さんは、まっすぐで素直で懸命。透明感があって毎日繰り返し見てもくどくない。朝ドラ主人公の王道が帰ってきた、という感じです。

 好き嫌いは人それぞれですが、前作『とと姉ちゃん』の主役・高畑充希さんの演技は、役柄というよりご本人の個性・テイストが強く押し出されていて、半年間毎朝見るにはどうにも味が濃すぎた。最初から最後まで「高畑充希」。環境や状況に影響を受けて成熟していく主人公の「変化」や「成長」という朝ドラの醍醐味が、今ひとつリアルに伝わってこなかった。

 では今回は? 芳根さんは無色無垢なキャラ。戦後の荒廃した社会の中で必死に生きようとする主人公のけなげさが前面に出ています。これから主人公がどのように成長し変化を見せるのか。注目したいポイントです。

●その2 時代の中で人物を描く意気込み

 神戸のお嬢様が突然、邸宅も父の家業も周囲の人々も、大切なものを戦争で一気に喪失する。そのドン底から手探りで、何とか生きる希望を掴んでいこうと格闘する。敗戦という時代にしっかりと足を据えて出発した『べっぴんさん』。時代の中で人物を描こうとするその意欲も、見所です。

 戦後の焼け跡生活なのに衣服やバラックがキレイ過ぎるなど、気になり始めたらつっこみ所は多々あります。探していた人がすぐに見つかる、といったご都合主義的なエピソードも、気にならないといえばウソになる。 が、「喪失から希望へ」という道筋がしっかり通っているから、細かい欠点より物語の展開の方に目がいくのです。

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン